スコットランド郊外の旅館に集まった人々が、雄性の標本を求めて飛来してきた火星人の女性と遭遇する。エイリアンとの一触即発を描いている、SFスリラー。
日本版の映像ソフトには、極めて露悪的なバカ映画路線の惹句が書かれているが、いざ蓋を開けてみると、古典SFの王道的作品であることが分かる。地球侵略系の原典ともいうべきモチーフが活かされており、様々な発見を楽しむことができる。
火星では「男性軍 対 女性軍」の大戦争が勃発。勝利した女性軍が、独自の文明を発展させるのだが、"LOVE"という感情の喪失と同時に、人口減少問題が表面化してしまう。火星人に脅かされる老若男女が、"LOVE"の大切さを再確認するところが醍醐味。
火星人役のパトリシア・ラファンは、顔立ちこそ中年女性のソレだが、前衛ファッションを身に纏ったスーパーモデルのような佇まいを披露してくれる。ジンギスカン鍋みたいな円盤と冷蔵庫みたいなロボットの登場も非常に面白い。
