傑作。不登校の少年を主人公にしたロードムービーで、それぞれ出会う人の人物の掘り下げがリアリティ高く掘り下げられ、全員に感情移入できる。
全体通して特にビッグイベントが起こるわけでも、最後の最後にピークがあるわけでもなく、ぬるっと旅が終了するのもこれまた良い。
それでも、少年は旅を通じて、初めて会う人の優しさに触れ、強くなり、人に優しさを分けてあげられるようになる。これが屋久島のお姉さんが言っていた一人前になることではないのだろか。
特別なことは何も起こらないが、鑑賞後むねがじんわりとあつくなるような優しい作品。やっぱりノボルの詩がとにかくぐっとくる。