IMAXで鑑賞。圧倒的に圧倒された映画体験であった。静動くっきりとした素晴らしい音響と映像が、私たちを当時の公聴会・聴聞会へと引き摺り込む。
正直、科学者の名前や関係性が全然頭に入ってこなかったり、公聴会・聴聞会の位置付けが全くわからなかったり、ストローズまわりの背景知識がわからな過ぎたり、そういった障壁はある。でも、そんなの問題ない。それも全て当時に引き摺り込むための、仕掛けなのだと納得できるほどだ。
特に終盤の怒涛の会話劇は印象的で、じわじわ広がった火種が空中で連鎖爆発するよう。特にストローズがオッペンハイマーに抱えるコンプレックスが一気に爆発して、静かなラストに着地するのは、今年トップレベルに血が踊る映画体験だった。
受賞納得の傑作だと思う。
でも、日本に対する贖罪的要素は薄いし、リスペクトも言う程感じなかった。これは残念だが、まじ。
