キヲシ

銀座化粧のキヲシのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
4.1
シングルマザーのホステスの日々を描く監督成瀬巳喜男らしい一本。銀座周辺のロケシーンや、チンドン屋、紙芝居などが実に興味深いが、なにより子役春男が大通りを路地をたたたっと駆ける後ろ姿が素晴らしい。学校帰りに雨宿りしながら、公園で迎えがなくひとり寂しく、約束反故にされ泣きながら…切なくなる。元夫の小銭を探す様子、無銭飲食する酔っ払い、長唄を止めない客、倉庫で迫る旦那…はあ、男って。煙草を吹かして、金策やら困った客あしらいやら、東京案内の代役…でもやはり、田中絹代の姐御ぶりは見事。盛り場で働く子供らに敗戦を感じる。
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