キヲシ

籠の中の乙女のキヲシのネタバレレビュー・内容・結末

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヨルゴスランティモスだからなあ、普通じゃないとは予想していたのだが…ここまでとは。テーブルの食塩らしき容器は何と呼ばれていたか。「ゾンビ」は「小さな黄色い花」。変な切り取り方のミドルショットで表情が見えなかったり、いきなり局部が露出したり…。子供たち(もう二十歳前後か?)のすらりとした肢体が画面に収まらずにブツブツと切られてしまっている。しかし、肌色ぼかしは邪魔だ。不意に噴出する暴力(包丁で…とか、枝切りバサミで…とか、ガムテープでビデオテープを巻いて…とか、裏を覗いて接続コードを外したデッキで…とか、洗面所で…とか)と同様、ごろりと即物的にたまたま映ってしまったかのような局部なのに。壁の向こうに投げ捨てられた飛行機を車で、こっそり放されたプールの魚をシュノーケルとモリで、子供たちに頼まれて取りに行く父親の姿。この父親の顔がどこかブルドッグのよう。庭に落ちた飛行機をわれ先に取りに行く子供たち、ロッキーとジョーズごっこ、かつてのアイドルデュオ「ウインク」みたいなパーティーでのダンス、四人並んでワンワン吠えるとか。色々な意味でおかしいが全く笑えない、どころか不快なんだが…。劇伴無し、クレジットも無音。
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