のちに「リング」を手がける高橋 洋・中田秀夫コンビによるホラー映画。
監督:中田秀夫、脚本:高橋 洋
新人監督の村井はデビュー作の撮影に追われていた。
そんななか、撮影フィルムのなかに不気味な女の姿が映りこんでいることに気づく。
それから村井の周囲で不可解な現象が起きはじめる。
これはよくできてるなぁ。
72分の短い作品。
映画の撮影現場にあらわれる小さな違和感。
その小さな違和感がじわじわと正体をあらわし、静かに牙を剥く。
派手なシーンはラストくらい。
でも、このラストシーンが一番つまらない。
(この反省がのちの「リング」に活かされる)
しかし、途中まではほんとうに完璧。
幽霊をはっきり映さない恐怖。
はっきり映らないのに、確実にいる。
幽霊がなぜ怖いのか。
その本質を完璧すぎるほどにとらえ、映像化している。
映画後半。
若い女優さんが天井から落下してくる一連のシーンはまじで怖い。
そういう意味では、登場する幽霊の「情報」を徹底的に削っているのもポイント。
作中で幽霊について語られるのは、「昔、撮影所で死んだ女優の霊だ」程度のもの。
その正体も、目的も、なにもかも明らかにされない。
最後までよくわからないやつが、よくわからないまま襲ってくる。
よくわからないから幽霊は怖いんだよ。
これは個人的な話になるが、撮影所のバックヤードがちょいちょい出てくる。
これがうちの近所のスーパーのバックヤードにそっくりで妙に生々しい。
この映画をはじめて見たのは学生のころと記憶しているが、そのときからずっと、そのスーパーのバックヤードが怖いんだよね。
というか、あのスーパーのバックヤード絶対なんかいるって。
2024ー旧001