福岡県北九州市を舞台としたモキュメンタリー。
監督:谷口 猛・大平彩華
ミュージックビデオの撮影中に届いた奇妙な依頼。
ある現場で撮影された映像に不可解なものが映り込んでいるという。
スタッフは取材を進めるが…。
目のつけどころはいいんだけどな。
谷口監督については「心霊マスターテープ」で存在は知っていたが、氏の手がける作品はこれが初見。
率直な感想として、ドキュメンタリーの撮りかたが普通にうまい。
モキュメンタリーである以上、撮影としては決まった台本をなぞっていくかたちではあるが、そうしたことをまったく匂わせない。
例えば、情報提供にまつわる電話なども、撮影外でいきなりかかってきたので慌ててカメラ回しました、というような細かなディテールが完璧。
演者の演技も自然でナチュラル。
芝居がかったような違和感もなく、シンプルにドキュメンタリー映像としてのクオリティが高い。
(強いて言えばディレクターの大平女史がキャラつくりすぎてて浮いてるくらい)
岩澤宏樹をはじめ心霊ドキュメント好きにもリーチするゲストも多数。
谷口監督のビジュアルイメージに即したものなのかはわからないが、アウトローや反社集団といったところをテーマに据えたのもおもしろいものと思う。
舞台が北九州というのも解像度が高くていい(なんの解像度だ)。
ただ、やっぱ取材内容(というよりストーリー)がイマイチすぎる。
なにも解決してないのはいいにしても、普通に尻切れトンボ。
オチも安直でなんだかなぁって感じ。
そこから先が見たいんでしょうが!
華麗な真相究明やオチを期待しているわけではないが、それにしたって、カルト教団についてすら具体的になにも出てこないとは思わなかった。
ほんとに監督とその仲間たちが北九州観光を楽しむだけのドキュメンタリー。
正直、途中まではかなりおもしろかっただけに、このオチは徒労感がすごい。
んー観なくていいやつ。
2024ー旧030