実話怪談集「怪談新耳袋」の制作スタッフが怪談で語られた場所を実際に訪れて検証を行うという心霊ドキュメンタリー「殴り込み!シリーズ」第5弾にして初の劇場公開作品。
監督:村上賢司
「名前のないメンバー」
神奈川県の相模原にやってきたGメンたち。
彼らの目的はただひとつ。
新たな女性隊員の名前をこっくりさんに決めてもらおう!
ギンティ小林ハッスル回。
余談だが、こっくりさんとは降霊術である。
こっくりさんという儀式によって幽霊に参加者の身体を貸し出し、メッセージをもらおうということである。
つまり、質問に対する解答者はそこにいる参加者ではなく幽霊であるはずである。
ところで、こっくりさんについて海外でおもしろい実験が行われている。
こっくりさんの参加者全員に目隠しをしてもらったのだ。
すると、目隠しなしではうまくいっていたこっくりさんが、途端にうまくいかなくなった。
そう、目隠しをすることで参加者は文字盤が見えなくなり、結果、まともな会話ができなくなってしまったわけである。
今回、新耳Gメンたちが行なったこっくりさんはまさにこれ。
図らずもこっくりさんに挑戦的な行為に至ってしまうのも運命なのだろうか。
ちなみに新隊員の名前は「はち」でした。
「つわものども」
都内にある城跡。
豊臣の軍勢に攻め込まれた兵たちは敗戦濃厚とみるや次々に自刃。
周囲の滝や川は三日三晩血に染まったという。
その名もずばり「八王子城跡」。
新隊員の「はち」。
思わぬ偶然になんらかの予感を覚えるGメンたち。
そんなことより挑発だ!
映画の成功を祈念しギンティ小林が3月の滝行に挑む!
そこで撮影された不思議な写真。
まさかの心霊写真に縮みあがるGメンとギンティのちんこ。
不可解な心霊写真はさらにつづく。
んー、オーブはともかく謎のもやは気になるなぁ。
3枚目なんて明らかに丸いオーブが固まってもやになっている。
いい写真だぁ。
「老婆のいる社」
こちらも八王子にあるとある廃墟。
老婆と女子高生という2人の女性が殺害された過去をもつ忌まわしい場所。
本の取材で訪れたギンティ小林は、ここで恐怖の体験をする。
しかも映像あり。
うん、これは怖い。
そんな忌み地にこそ不謹慎が相応しい。
100の字名をもつ男・市川力夫のガチビビり回。
というか今回の不謹慎はガチすぎてちょっと引く。
しかも「はち」になにやらせてんだよ。
ただ、不謹慎レベルに呼応するかのように怪奇現象もブースト気味。
今回のやつ普通にヤバいぞ。
「魔の山」
谷川岳。
毎年多数の登山家が犠牲となる「魔の山」。
そんな谷川岳の最寄駅。
しかし駅は改装工事中で立入禁止に。
ただまぁ、そこはそれ。
Gメンたちは当たり前のように潜入していく。
鏡に心霊の姿は映り込むのか?
企画は当初の目的から大きく外れ、ただのお絵描きバラエティへと変貌していく。
これもポルターガイストの一種なのだろうか。
トイレ掃除中のギンティのリアクションは普通に草なんよ。
でも直後の謎の声は普通に不気味。
「沈黙の世界」
世界にとどろく最恐スポット「青木ヶ原樹海」。
村田らむのYouTubeをフォローしてるとそんなに怖い感じもしなくなる青木ヶ原だが、まぁ、心霊やるなら避けては通れない場所ではあろう。
そんな「世界の青木ヶ原」で結構される未曾有の大作戦とは?
カメラ8台体制の幽霊ナンパ計画!
普通に首吊りさせられてる「はち」に草。
ということで、テントを張っておにぎりを用意。
幽霊と一緒に食べようという試み。
企画はともかくやってるほうは本気で怖そうだ。
「魂の呼びかけ」
せっかく青木ヶ原に来たんだから幽霊を撮りたい。
なるほどごもっとも。
「青木ヶ原に来るやつは淋しいやつだから優しく呼びかけよう」
はいいんだけど、ギンティ小林の声かけがうさんくさい。
そんなうさんくさい営業トークに反応する発光体も発光体だ。
<総評>
この番組は心霊的な撮れ高よりおじさんたちの悪ノリが生命線なのだが、本作は恐怖と心霊現象にややスポットが偏り気味で、シリーズのいいところがやや薄れてしまった印象。
監督が変わったことでテイストもやや変わってしまった感じ。
もっとバラエティ寄りの編集にしたほうが絶対に楽しい。
ラストの青木ヶ原がイマイチな感じだったのも評価が低くなる原因かも。
トイレのあたりは普通におもしろかった。
自分たちの製作物を「心霊ドキュメンタリー」だと勘違いしてはいけない。
2024ー旧014