April01

戦う翼のApril01のレビュー・感想・評価

戦う翼(1962年製作の映画)
4.2
何と言ってもマックイーン!彼の素の魅力がキャラクターにハマりこんでいる。

戦争では活躍する凄腕パイロットだけれど、平時の社会には居場所のない、ドクターいわくサイコパス的気質のある人物を巧みに演じている、というより彼本来の気質とキャラがマッチしているからこそのリアリティかもしれないと、リアルタイムで知らない自分としては彼のバイオグラフィーなどに目を通しながら思いを馳せたりする。

戦争ものとしては、一級品ではないかもしれないけれど、ところどころに目を見張る場面が散見する。
例えば基地に戻ってきてボロボロの機体が胴体着陸の場面とか。
爆弾をあんな風に積んでいるのかとか、冒頭に空軍の協力を得ているとの一文があるのも納得。
いわば群像劇だけれど、それぞれのキャラが活きていて、戦争中のバディものプラス恋愛モノ、さらに英国遠征中の米空軍の緊張感とユーモアのバランスが絶妙。
その群像の中にアジア系が一人いて目を引かれるけれど、作戦会議の場面でも彼にクローズアップしたりして脇役にまで多少なりとも見せ場を作っているところも良い。

序盤から、マックイーン演じるバズの部屋の壁に貼ってる写真の女性たち、当時の女優やモデルだと思うけど、今日は誰にしようかなって感じで選ぶところから、彼のキャラクターに引き込まれる。

ライプツィヒ作戦決まってから、見てるこちらも緊張高まる。
終盤のシークエンスは鳥肌もの!

彼がずっと望んでいたこと、というダフネの言葉に余韻が残る。
ダフネをモノにしようとしたのは、ボーへのバズなりの屈折した愛情のようにも思えて深い!
April01

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