櫻イミト

女はそれを待っているの櫻イミトのレビュー・感想・評価

女はそれを待っている(1958年製作の映画)
3.5
私の心を占めていたのは、安楽、安全、社会的法則だけでは、子供を産もうとする女たちの諸問題を解決するには十分でないということであった。真の問題は、愛のそれであり、あるいは愛の欠如のそれなのである――イングマール・ベルイマン

「処女の泉」(1960)の直前の作品。参院にカメラを持ち込んでの制作。原題は「Nära livet(近くにある生命)」。カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞、主演女優4人は主演女優賞を受賞。

産院を舞台に、同室になった女性3人の出産にまつわる人間模様を描く。。。

ありそうで意外に思いつかない産院が舞台の物語。流産も含めて三者三様のドラマが展開される。生と死が交錯する物語を力みなくしっかりと描く力量は流石。女性作家による脚本で、抽象性のない作品なのでわかりやすく公開当時の評判も良かったとの事。その分、芸術性を求める向きには物足りなさがあるかもしれない。
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