歩葉戸路素

新死亡遊戯・七人のカンフーの歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

5.0
実は全くストーリーが分からない映画だった
いや何となくは分かるんだけど説明できないというか…

亡きブルースリーを継ぐ新作カンフー映画『死亡遊戯』の"主役の代役"に抜擢される主人公、彼はこれから代役で出演するその未完成映画を鑑賞するのだが、そのまま彼が今観ている劇中劇へ本編が切り替わり、主人公も劇中劇の主人公へとチェンジして最後まで続くという型破りな物語…
劇中劇は『さらわれた恋人を救いに主人公が七重の塔で悪と闘う』というシナリオで後半はコレが最後まで続くのである
(え、映画未完成じゃなかったの…?)

…という物語だと思う…多分…

セットがバカ殿並みのハリボテだとか、最後のタワーでのバトルがチープだとか散々言われてるが、そんなのどーでもいい

一番衝撃なのは
劇中劇の映画を観ている
『代役に抜擢された男』と
『映画内の主役の男』が
同一人物だというところ…!

!??!!??!?!????
脳髄のラビリンスに迷い込んだみたいだ…

もう一度おさらいすると
『俳優じゃない青年が未完成映画の主役の代役に出る事になったが、その映画の主役も代役の青年と同一人物で、未完成の劇中劇映画がいつの間にか完結している』
…という物語

映画を観てる主人公は『劇中劇の主役と容姿が似ていてアクションも出来るから代役に抜擢された』とあったが…なぜ同一人物なんだ!?
初めて観る映画に何故か映画俳優でもない自分の姿が映って演じている……!?
という得体の知れない恐怖…

製作陣は一体この映画で何を伝えたかったのだろうか?
単純なカンフーで悪党をしばき回すアクションでもなければ、ブルースリーをリスペクトしてるわけでもない(というか冒涜してる💢)
複雑怪奇で解答の無いミステリー映画
はっきり言ってデヴィッドリンチ映画より難解で説明しにくい物語である

でも塔のデザインは本家の死亡遊戯や死亡の塔と比べてかなり『らしい』
ただのビルだった死亡遊戯(笑)
塔すら登場しない死亡の塔(失笑)
あたりと比べて東洋風の七重の塔なので、かなり世界観はブルースリーに近くて良かった
あと世界各国の変なカンフー使いが集う展開とか…『アーッ↑チョーッ↑!!』という変な怪鳥音は笑えた
歩葉戸路素

歩葉戸路素