2024_027
記憶を辿って
記録に飲み込まれる
望むのは『目覚め』か
スゴイ!全編夕暮れ色という感じのセピア調で映し出される世界はディストピアSFの様であり、ファンタジーの様でもある。
連続殺人犯を追うハードボイルドなストーリーであるはずが、『犯罪の原理』という本とそれに心酔する主人公が犯人と同化し犯人の行動をなぞりながら事件の真相に迫って行く心理劇に仕上がっている。
何がスゴイって、この訳の分からない話を映像のセンスだけで押し切ってしまう所。これを長編デビュー作で作ってしまうラース・フォン・トリアー監督ってやっぱり異常なんだろう。
かなり難解というか理解に苦しむ話だけれど、主人公の心象風景をなぞる体験は、つまり主人公が犯人の心象風景をなぞる事の追体験になっていて、メタ構造の中に観客も巻き込んでしまう。
うん、やっぱりおかしいよコレ!勿論オススメしますけど!