浅野公喜

ダリル/秘められた巨大な謎を追っての浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.4
「ストレンジャー・シングス」シーズン3のモール内映画館の看板に今作のタイトルが表示されていたので気になっていた作品。一部記憶を失った天才少年を主人公にしたヒューマンドラマ寄りのSF物です。

中盤までは少年は預けられた家庭でホームランを打ちまくったりゲーム(ナムコの「ポールポジション」)を初見で高得点を出したりその天才ぶりを発揮。しかし余りにも何でも器用にやってしまうのでその家庭の夫婦が自分達の存在意義に悩み、少年はあえてホームランを打たなくなったり感情的になったりするのですが、この辺りは人間のある種のワガママな所を描いており子供らしさ、人間らしさについて改めて考えさせてくれます。

後半からは家庭を離れ施設に行くことで少年の正体が分かり、そこから逃走劇が開始、少年が運転する車(フォードLTD)で時に片輪走行を含むカーチェイスを展開した後、また特殊な乗り物に乗り終盤へ・・という流れ。ずば抜けた個性を持った作品ではありませんが、ほぼ同時期の「ウォー・ゲーム」、「スター・ファイター」「ナビゲイター」辺りが好きならシンプルに楽しめる作品だと思いました。

中盤少年がテレビで観ているのは50年代SF「禁断の惑星」で、エンディングテーマ「Somewhere I Belong」を歌うのは日本ではドリフのヒゲダンスの曲の元ネタ「Do Me」を歌っていたことで知られるソウルシンガーで、自動車事故で半身不随になった後復帰して比較的間もない頃のテディ・ペンダーグラス。
浅野公喜

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