T太郎

シンプル・プランのT太郎のレビュー・感想・評価

シンプル・プラン(1998年製作の映画)
3.8
1015
サスペンス映画だ。
じわじわ迫ってくる緊張感と、ほんのりとした胸糞悪さが魅力の面白い作品だ。

坂道を転がり落ちるように、どんどん状況が悪くなっていく過程が面白い。
まるでおむすびのようにコロコロコロコロ転がり落ちていくのだ。
そんな物語である。

舞台は雪深い小さな町だ。
ハンク(ビル・パクストン)は美しい妻とまともな仕事、尊敬してくれる友人や隣人に恵まれた幸せな男だった。
学歴があり、非常に真面目な性格でもある。
妻のサラ(ブリジッド・フォンダ)は臨月で、彼は我が子の誕生を心待ちにしていた。

そんなハンクがコロコロコロコロ転がり落ちていく物語なのだ。
そう、まるでおむすびのように。

ある日、ハンクは兄のジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)、ジェイコブの親友のルーとともに、森の中で墜落した小型飛行機を発見する。

飛行機の中には、死亡したパイロットだけでなく、なんと440万ドルもの大金があったのだ。
日本円に換算すると、6億円ほどになろうか。
かなりの大金である。
6円置くのではない。
6億円なのだ。

ネコババを主張するジェイコブとルーに対し、ハンクは警察に届けようと言う。
ハンクは真面目なのだ。

しかし、結局二人に押し切られ、お金をいただく事に同意してしまう。

最初はシンプルなプランだったのだ。
しばらくは大人しくして、金を捜す人物が現れなければ3人で山分けし、町を出る。
それだけの事だったはずなのだ。

だのに、なぜ・・・

ここからハンクは嘘に嘘を重ね、罪に罪を重ねて、コロコロコロコロ転がり落ちていくのだ。
そう、まるでおむすびのように。

金は人を変えてしまう。
あの真面目だったハンクはどこへ。
美しく働き者だったサラはいずこへ。
いやはや困ったものである。

悪銭身につかずだ。
欲に溺れてしまった人間は、ろくな事にならない。

私のように清らかな心をもつ者には関係のない教訓だが、皆さんは十分注意していただきたい。
でないと、ハンクのようなおむすび人生が待っているであろう。
(なんやこいつ)
T太郎

T太郎