あああ

ファイト・クラブのあああのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0
「ガソリンと冷凍オレンジ、ジュースでナパーム弾を作れる」
かっこよすぎる"男たち"とかっこよすぎる映像とかっこよすぎる音楽と最高すぎるストーリーと、、、とにかく最高な映画!

映画を3分の2くらいまで見たところで、薄靄のような違和感が姿を表す。そこからは画面に吸い付くように見入ってしまった。蛹が蝶になって飛び立ったみたいに、全部の展開が繋がって"爆発"した。伏線回収とはこの事!
今まで「伏線回収なんて批評家気取りの視聴者が喜ぶだけ」と思っていたけど、とんだ思い違いだった。

最高に面白くて最高に楽しくて最高にかっこよくて最高に刺さった映画。

視聴後の熱が冷めきってない今の状態ではあんまり考えられないけど、社会派なメッセージも強いと思う。反体制、反物質主義、反資本主義。
社会のギアとしてこき使われ、正義の、信念の無くなってしまった不眠症の主人公、そしてそんな主人公に賛同した奴らが集まって体制を覆す。ある意味ジョーカーみたいな映画。

人生をどう使うか?っていうメッセージもあると思う。
資本主義の奴隷になって、スタバの新作を飲んで、それをインスタに上げて流行を演じて、ハイブランドのアクセサリーをして形だけのファッションをして、Twitter見てたら休日が潰れるような、楽かもしれないけど何の中身もないそんな日常を繰り返していいのか?
そんな人生でいいのか?お前の人生はそんなものなのか?
頭の中のタイラーが問いかけてくる。


ブラッド・ピットのかっこよさを改めて認識した。マジでかっこいい。
短い髪と鍛え上げられた筋肉、ぶっきらぼうだけどかっこいいファッション、スクリーン越しでもわかるほどのカリスマ、そして圧倒的な信念。魅力しか無い。

音楽も最高。これまで映画で808を聞くことなんてなかったけど、この映画はHipHop的なサウンドがBGMとして多用されてて、それが世界観にマッチしててクール。

映像もサイバーパンクを感じるような、名画ナイト・ホークスを感じるような、そんな色使いと、シンプルな画面構成。かっこよすぎる。どう表現したらいいかわからないけど、とにかくかっこいい。セブンとブレードランナーのいいとこ取りみたいな映像っていうのが正しいかな?

最後に一瞬入るポルノでこの映画が名作だって改めて確信した。これは映画でしかなくて、映画を見るだけで「あぁ~面白かった」で終わってはいけない。生活を変えなければいけない。それを観客に伝えるためにどこかのタイラーがポルノを挿入したって事だと個人的に解釈してる。

主人公がマッチョイズムを体現したタイラーを殺すという所に、ファイト・クラブの素晴らしさがつまっている。主人公は生きる意味を見つけ、見栄えすら必要なくなった。だから圧倒的なカリスマを持つタイラーを殺したのだ。それはタイラー・ダーデンに心酔した哀れな観客たる僕達の頭を撃ち抜くようなもの。この映画は断じて男性性の賛美歌などではない。
あああ

あああ