8歳の主人公アハマッドの目線がこれ以上ないくらいリアルに描かれている。
自分の話をまともに聞いてくれない大人ばかりが出てきて、彼らの一方的な要求に応えないといねない理不尽さに胸が痛むばかり。
終盤に出てきた老人も親切なのかと思いきや自分の話ばかりして、目的としていた友達の家も人違いで本当に散々。
終盤、家で宿題に取り組んでいると強風で窓が大きな音を立てて開き、その向こうで母親が洗濯物を取り込む、というシーン。起こっていることは何でもないのに、何故だか記憶に残る具合がすごくリアルだった。
終わり方、アハマッドの健気さがなんとか報われてホッとした。