ししまる

BOY Aのししまるのレビュー・感想・評価

BOY A(2007年製作の映画)
3.6
◼️概要
2007年英の社会ドラマ。少年時代の重い罪で服役した24歳の青年が出所。ソーシャル・ワーカーのテリーに見守られながら、ジャックという新しい名前と新しい生活の場を得る。
◼️キャスト
ジャック:アンドリュー・ガーフィールド、テリー:ピーター・ミュラン
◼️メモ
ジョナサン・トリゲルの同名小説が原作。ガーフィールドは英国アカデミー賞ドラマ部門主演男優賞を受賞。英国ではテレビ映画として2007年11月に放送され、米で2008年7月に劇場公開された。
英国では、リバプールで10歳の少年2人が2歳児を誘拐、殺害した1993年のジェームス・バルガー事件を想起する人が多い。2人は8年の服役後、新しい身分が与えられ2001年に釈放。英国全土で抗議運動が起こったが、裁判所は2人にリバプール周辺には絶対に立ち入らないこと、週に1回保護監察官の面接を受ける義務を課し、マスコミには2人についての報道を行わないよう命令した。しかし「マンチェスター・イーヴニング・ニューズ」紙は2人の釈放と新しい身分を公表し、裁判所は12万ポンドの罰金を命じた。
◼️感想
罪を犯した少年Aは社会復帰できるのか。過去と決別できるのか。とても重く、苦しい話。ラストは明確に描かれないが、心抉られる。
服役することで更生を認めるかどうかは、かなり難しいテーマ。当然ながら被害者側に立てば赦しがたく、更生しない人間だっている。半面、おおよその国の法制度は更生を前提に組み立てられており、いつまでも糾弾されるなら、永久に社会的制裁を受けることになる。
ガーフィールドの繊細な演技が素晴らしい。少年のころ、友人とスパイダーマンごっこをするシーンがあり、まさか後にガーフィールドがスパイダーマンに抜擢されるとは。
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