ぽち

座頭市二段斬りのぽちのレビュー・感想・評価

座頭市二段斬り(1965年製作の映画)
2.9
当時は良かったのかもしれないが、今見ると狙いが全て裏目に出てしまい、テンポの悪い低空飛行の一作となってしまっている。

終盤の悪役二人を盾にウロウロするシークエンスは、派手な殺陣を入れたいための無理やりな展開だし、コメディリリーフの三木のり平のギャグが一層テンポを悪くしている。

それと子役の小林幸子はかなりうざい。
これも当時は良い子役だったのだろうが、今見ると如何にも演技してます系の子役で、わざとらしい。

全てにおいていい加減さが目立ち、ストーリーも各シーンのつながりも悪いのは、もしかして勝の意見が大きく影響していたからではないだろうか。
「船頭多くして船山に上る」という状態だったのではと想像してしまう。

また、座頭市という超魅力的なキャラの上に胡坐をかいてしまい、何をやっても大丈夫と勘違いしてしまったのも現れていて残念。

シリーズ中では下位にくる作品だろう。



余談。
座頭市はほとんど勝が作り上げたキャラ。
なので気持ちは痛いほどわかるのだが、ここら辺から座頭市=自分という感情が強くなってきてしまっているのではないだろうか。

カッコよく見せたい、派手にしたいなどは座頭市ではなく自分に向けられた感情のように思える。

客観的にキャラクターや物語を見ることが出来ていないのが、今作の最大の問題。

視聴者が望むのは、超人的な強さのスーパーマンじゃないということだ。
ぽち

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