パン

野獣死すべしのパンのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1959年製作の映画)
4.7
うおー!!!!!!衝撃だったこれは…
ここまでハードボイルドなモノクロ映画は初めて観た。たまらん。

1957年の作品だから当時の日本人の生活が生々しく覗けて非常に新鮮な体験だった。
例えば空港の飛行機がプロペラ機だったり、あと検問中の警官が夜に提灯持ってたり(江戸時代かよw)
この時代の日本に行ってみたいわ。

仲代達矢の目がギンギンで怖い。
1980年版の伊達邦彦とは別の意味で悪い奴(なんか陰湿で小賢しい感じ) 

カーチェイスに銃撃戦まであった。
かなりしっかりした作りの映画だ。
クライマックスの強盗シーンは想像以上に淡々としてるんだがそれがまた緊張感に繋がっているように思う。

特に印象に残ったセリフを本編から引用する。
「今にも人を殺しかねない連中が街に溢れてます。ゆがんだ社会への怒り
、人間を信じられない苦しみ、自分の未来に予想される暗い影、彼らは理性と常識でそれを抑えてるだけでいつ何どき 殺人という いわば ヒロイックな行動に身を委ねるかわかりゃしません。」

これは本当に今から66年も前の映画なのか…
鳥肌立つ。
怖いくらいジョーカー事件とか起きちゃう今の日本を的確に表してるよね。

1980年版の松田優作主演、野獣死すべしが好きすぎて他の野獣死すべしを全く観てなかったことを激しく後悔した。
割とインテリ向けの内容なんだよな。会話とかも含め。
良い映画に出会えて満足。
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