ウドーJ

ジャッカルの日のウドーJのレビュー・感想・評価

ジャッカルの日(1973年製作の映画)
5.0
テレビ東京 午後のロードショーにて。

140分もあるオリジナルを正味90分に切りつめたことで、かえって面白くなっている。すごい。50分も削除しているのだから、当然ドラマの細かい味はない。文字通りダイジェストのようにポンポン話が進む。それがドキュメンタリードラマのような実話感を増幅している。ジメジメした人間ドラマはごっそり削ぎ落され、数多い登場人物への余計な感情移入は無用となる。追う者と追われる者、狙う者と狙われる者のチェス・プレイを見るように、ドライにスピーディーにラストのオチまで駆け抜ける。説明不足に陥っているからこそ想像力が掻き立てられ、ちょっとした描写が多くの意味を持つ。情報過多な現代の映画に慣れきっていると、ちょっと感動的なくらいに衝撃的な体験だった。これだから、テレビ放映時のカット版は侮れない。
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