Donguri5656

アメリカン・ビューティーのDonguri5656のレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.0
タイトルは、アイロニーでしたね。

「I refuse to be a victim」は、
虚飾を取っ払ったみんなの本音だろう。

周りにお構いなしで、
金、物、性愛への欲に忠実に
暮らす人々のもたらす軋轢が、
次々と描かれる。

主人公はJKへのスケべ心が
原動力となり、辛うじて抑えていた
社会的機制は、放り投げたかのような
行動をとるが、
デフォルメされているとはいえ、
他人事では済ませられない思いも
こちらに喚起させるよね。

その前段のドリフ的コメディからの、
雨のガレージのあの一件は、
マッチョイズムを体現する隣の父親の、
案の定とも言える欲望を見せ、
病み、自らに閉じこもることで
自己防衛を見せる隣の母親は、
アンチテーゼといえ、
隣の家の闇こそが、
一層深いとも言えそう。

同時多発テロも、リーマン・ショックも
ない頃は、格差や分断というよりも、
家庭や個人の生き様にフォーカスが
向いていたよなあ、なんて、
忘れていた時代感覚を
思い出したりもした。
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