黒沢清監督、続きます。
ごく普通の東京のサラリーマン一家が崩壊していく。本当はもっと前から崩壊していたけど、取り繕っていただけだった。
リストラを家族に言えない夫/香川照之
鬱屈とした毎日に文句…
お父さん、
公園での炊き出し場にいる所を妻に目撃される。
息子に怒って手を挙げてしまった反動で、妻にそのことを白状され攻撃される。
ハローワークで仕事を選り好みするのをやめ、紹介された清掃員の仕事を…
このレビューはネタバレを含みます
家庭内の不協和音を可笑しみと恐怖のミックスで描き出す黒沢清の00年代以降の代表作なのでは。リストラされたことを家族に言えない父親、濡れ衣で教師との不和になり給食費でピアノ教室に通う次男、米軍に志願す…
>>続きを読む生きているようにテーブルから滑り落ちる新聞紙、やがてサッシが空いていることが分かる。
紛れもなく黒沢印だ。
巻頭や照明(キョンキョンがゆっくり暖色に包まれる!)以外は外連味を抑え抑制されており、壊れ…
香川照之のフルスイングくらい暴力的な崩壊と再生の物語がめちゃくちゃ面白い。
省略の積み重ねによる不協和音。
黒沢清が描く日常から逸脱した恐怖も人間ドラマではシュールな笑いになる。
その笑いが行き過…