唐十郎が撮影で実弾を使用しパクられて炎上商法を狙ったもののコケたでお馴染みやつ。確かに話も終盤に連れグズグスになっていくし安藤昇のリサイタルショー状態に突入した時はどうしようかと思ったが、寺山がフェリーニなら唐十郎はパゾリーニだってくらい話も絵面汚くて最高、もうグッチョグチョのビッチビチ。宍戸錠、安藤昇に挟まれる根津甚八のベビーフェイスが映える。腐った蛤は女性器、マッコリは精液、日本も朝鮮もどっちもどっちで人間なんて皆汚ないって事なのかと思ったが、DHC会長のご意見を頂戴したい。返り血が似合う安藤昂、便所の床を舐める根津甚八、ウジ虫が浮かぶ味噌汁、ヘドロに浮かぶ李麗仙、母親のミイラと暮らしてる気狂いはまんま『サイコ』？大久保鷹はブルース・リーの映画に出てくる悪役みたい、常田富士男はほぼ蟹江敬三。アングラ演劇とATGは混ぜてはいけない。

観たい映画なんも劇場でやってなかったからば、朝から家でこれ観ていたら、若き根津甚八のバブ味すら感じる可愛らしい顔面以外は全てが汚らしくて、うへぇ……なったからば、今や近所の居酒屋でヤケ酒しながらレビュー書いてるってばよ！スンスン

韓国から密航してきた女達を東京に売り払う仕事をしているヤクザ者が、ある日いつものように密航してきた女の中に、昔韓国で殺した女のそっくりさんを見つけたんやが！って話

とはいえ、そんな可愛らしい顔した根津甚八もションベンの中に顔面つっこんでジタバタしていたし、まぁ総じて汚らしい映画やったぞぉ！食ってるラーメン？うどん？の鍋の隣で足の爪切るん最悪過ぎて最高やし、部屋に上がるのに誰一人泥だらけの足拭わねぇし、死んだ母ちゃんのミイラ溺愛している息子とか蛤のお吸い物に蛆がわいていんのとかも最狂かよ！おまけに出てくるキャラクターも総じて小汚い悪党やし、ストーリーも支離滅裂でようわからへんし！
うん、美しいものしか愛せないマシンボーイは途中で何度か飽きて辞めようか思ったけども、ちょいちょいドバドバとギャグか？っつ〜勢いで血が噴き出るからついつい最後まで観てしまったぞぉ……

とりあえず、昔の日本映画でさえ韓国人は復讐に没頭していて、マシンボーイはビックリしたぞぉ！さすがやなぁ、最近の生温い韓国映画よりよほど韓国映画やったわぁ、ぺろぺろ
帰ったらスカトロもののエロ動画でも観てお口直しすっかぁ〜

「任侠外伝 玄海灘」

冒頭、遥か朝鮮半島の黒い影が望める玄海灘。一匹狼と舎弟分の田口。東京に本拠を持つ沢木組、密航して来た韓国の女達。強姦殺害、死体処理、米軍と米兵、 廃工場、ドブ川、ヤクザ、復讐。今、二十五年の因果応報がの物語が始まる…本作は唐十郎がATGで監督した長編デビュー作で、配偶者である在日韓国人、李礼仙(日本名は星山初子)や根津甚八、石橋蓮司などが出演していて、脚本は実相寺昭雄の「哥」を担当した石堂淑朗が加わっている。本作は悲惨な話をロマンの極彩色で魅せる、 唐十郎初映画監督作品で、幼い頃から、海や海賊に憧れていた彼が、玄海灘の持つイメージに悪夢を重ね、リアリズム芸術主義をスクリーンに定着させようと意図したものとされており、おりから映倫が新しく一般映画、制限付き(R)と言うクラスケーションを設けることになり、これはその第一号に指定されたとの事。


それにしても安藤昇演じるこのヤクザの雰囲気はたまらなくダンディーな風貌で、低音の声質も非常に魅力的である。彼と言えば様々なやくざ映画に出演しているが、この作品を撮影している時がー番ピークだったのではないだろうか。彼は確か実際にヤクザであり、捕まって出所している経験がある。それにしても(後ほどさらに詳しく話すが)自分の妻(監督の)がクライマックスでどぶ川のヘドロの中に横たわるシーンなどは凄いと思う。よく、させたなと…。味噌汁のハマグリに湧いているウジ虫やグロテスクな米兵の死体からハラわたをつかみ出したりする場面も凄いし、吊るされているミイラのビジュアルインパクトしては非常に気色悪い。この作品は映画的には面白いかもしれないが、あまりにも思想的態度が強すぎて否定的になるところもある。詳しく話すとネタバレになるからダメだが、日本は朝鮮のものでもあると言うセリフには驚かされた。

そもそも主人公が在日朝鮮人の演劇女優との事で、舞台も朝鮮戦争後の話であるからそのようなイデオロギーが炸裂するのは仕方がない(時代が時代である)。要するにこの作品で言いたい事と言うのは、朝鮮戦争の時日本が無関心であったことに対しての反撃と言うところだろう。朝鮮戦争があったために特需景気になった日本がに憎くて(うらやましい)仕方がなかったのだろうか、主人公の近藤が朝鮮人の女に対してやったことを朝鮮戦争の時に日本が韓国にやったことを重ねているのが非常に感じ取れる。しかも極めつけにその近藤が女を犯したことによって、インポになったと言う設定は自分の罪の意識をきっちりと感じ取っていると言う反省を日本人側にさせていると言う強要さを感じるし、遠回しに日本国家全体よりも良心的なー日本人として描かれている。この辺は非常に日本人である私にとっては胸くそ悪いところである。


しかも李礼仙(在日朝鮮人の女役)は二〇一三年に朝鮮日報のインタビューで"あなたはどの国の人なのか"という質問に"ハングクサラム(韓国人)"と答え、心までは日本に渡していないと発言している。ともあれこの女優の芝居は本作においては非常に良かったと感じ取れる。特にグロテスクで悪趣味で気持ち悪い映像のオンパレードだったが、根津演じる田口との悲恋のロマンスの部分だけは非常に救われる思いである。それでもしょんべんで火のついた体を消そうとする汚さはあったが…。加害者でいることを一生背負うわせられるような巧みな演出もあって、歴史観に疎い方が見れば誤るだろう。しかし、この作品が面白いと先程言ったのは、捉えようのない要素がふんだんに盛り込まれていて奇想天外だからである。メロドラマであり、政治的な思想やドラマ要素を含んだいわゆるドタバタ喜劇的な思考がふんだんにちりばめられていて、何が何だか途中でわけわからなくなり、ストーリーが脱線したりもするのである。ただ日本と韓国の問題だけはうまく巧みに戦術的に入れ込んでおり、そこへカオス的な世界を作り出しリアリズムのドラマを見事に作っているのは評価できる。とにもかくにも風変わりな異色映画である。


さて、物語は韓国から密航してきた女を東京に売る仕事に携わる近藤と田口。近藤は二十五年前韓国で、仲間の沢木が絞め殺した女を犯すと言う暗い過去を持っていた。その後近藤は女の死に顔の美しさが忘れられず女を抱けなくなっていた。ある日、田口が助けた密航者の女、李孝順と出くわした彼は、以前自分が犯した女と彼女がそっくりな事に驚く…と簡単に説明するとこんな感じで、冒頭に朝鮮語らしき歌が流れ、波に浮かぶー隻の船を捉えるショットで始まる。いゃ〜、日本映画にも関わらず韓国映画を見ているような感覚に陥るのは俺だけじゃないはずだ。この汚なくて気持ちの悪い演出と画面構造がもはや韓国のキム・ギドクの作品とダブる…。一度口に含んだお酒マッコリ(?)をゆっくりと口から机に放出させる場面や、泥まみれになったり、ウジ虫が沸いてたり、中でもしょんべんを舐める場面は強烈、留置場のトイレの中でのワンシーンなんだけど、嘔吐しそうに気持ち悪い。

あのほぼクライマックスの争いで耳から血が大量に出血する演出はめちゃくちゃ画期的。あのワンシーンだけはすごいインパクトがある。にしても終始流れていた이영숙の꽃목걸이の曲が印象的だった。柳町光男監督の傑作映画「さらば愛しき大地」でキネマ旬報主演男優賞受賞した根津甚八はATGだと「キッドナップ・ブルース」がある、本作の時は非常に若々しい。この作品は公開前から色々と問題があったそうで、監督と主演の安藤昇が撮影中に拳銃で実弾を使用したことで逮捕されて騒ぎになったそうだ。そのためかわからないが、先ほども述べたように日本映画初のR指定となった。ちなみにその拳銃の持ち主は若松孝二とのことである。この作品は普通にレンタルとかされているのだろうか、もしされているとしたら奇跡的である。こんなディープな世界を描いた映画が一般的に受けるはずもなく、あったら凄い。