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ザ・ショック
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『ザ・ショック』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.0
超常現象は人の心が自己正当化のために生む幻だ!

自分のママに馬乗りになってヤラシイ顔したり、花束贈って「君は僕のもの」って書いたメッセージカード入れちゃうオマセでマザコンなマルコくん7歳の奇行を描いた子ども怖い系ホラー。

巨匠マリオバーヴァの監督としての遺作。クレジットはされてないけど息子ランベルトバーヴァにとっては監督一作目であり、親→子へのバトンタッチを思わせる記念すべき親子監督作。マリオバーヴァにしては大人しく控えめな印象で少し拍子抜け感はあったけど、病的かつアブノーマルで暴力的な空気感を漂わせた面白い作品でした。

新居に越してきた父母息子の三人家族が新居の中を冒険したり、ブランコ作ってはしゃいだり。そんな絵に描いたような「幸せな家庭」感を見せつけつつも、鍵をポケットにしまう際の意味深な視線から始まり、家族間に共有されていない思惑を感じさせる事柄をそれぞれのキャラ毎に積み上げていき、「豚ども」の連呼がこの家族のきな臭さを決定づける。

全体的に凄くシンプルな心霊譚に見えるんだけど、その奥では様々な要素が絡み合っている印象を受けました。なによりも大人の子どもに対する(良い面にも悪い面にも)独りよがりな決めつけを揺さぶるような、人格を持った「人間」としてのリアリティと、認識とのズレが歯車を狂わせていくという発想を最も強く感じました。シーン毎の切り替えに必ずと言っていいほど大きな落差を設けることで、見えている面と見えていない面との相違を印象付け、子ども特有の幼さ・無邪気さと抱える闇の二面性を強調する意図を感じさせる演出が何度も見られる点にそのことが顕れてると思います。

そしてその二面性が相互に結びつくから厄介な訳で、そんな唯でさえ一筋縄ではいかない子ども心理が過去のトラウマに起因する病的でアブノーマルな感情が交錯する複雑な精神状態まで取り込んでしまうことでより多面的になり、作中の大人たちだけでなく観客をも掻き乱していく複雑さが本作の魅力の1つだと感じました。しかもその大人の視点すらも全く信用ならないわけだからタチが悪い!

マルコくんの母親に対する感情の背徳的で暴力的な面を含む多面性が憑依あるいはサイキック能力と関連していき、更には母親の過去の記憶とも絡み合うことで、何が現実なのか・どこまで映像をそのまま捉えていいのかを曖昧にしつつも、最終的には内面の投影的幻想世界を作り上げるというのは、マリオというよりランベルトの領分なのではないかと思います。家族という現実とそれを脅かすイマジネーションの交錯&対決は『オウガー』そのもの。

おそらく『死霊館 エンフィールド事件』に影響を与えてるであろう部屋を一周する人型の光と切り抜かれた写真を始め、メッセージカード、切り裂かれた下着等々、大人へのサインが作中でもたくさん描かれているし、子どもへの最も大きな影響に蓋をし続けたことの大きすぎる代償を強いられる物語は響いてくるものがありました。

心なのか彼方なのか象徴的に幾度となく使われるドアの開閉、変化を感じさせるオルゴールのような音色、次第に大きくなるブランコの揺れ、笑うピアノ、走ってくる子どもの一瞬の変化等々面白いシーンは多かったし、めちゃドラマチックな夕日の海岸での「あること」の告白とか尖った感じが凄く良い!

マリオバーヴァのフィルマに登録されてるの、あとは海外版買わないと見れないやつばっかりになっちゃったけど、邦題ついてるってことは日本で上映なり放送してるってのが悲しいですわね。。。ソフト化してよ!!
記録。
蘇ってはいけない記憶。

今は亡きイタリアンホラーの巨匠マリオ・バーヴァ監督の最後の劇場用映画。このジャケ、めっちゃ不気味ですよね。だがそれがイイ。

郊外の家屋に引っ越してきたのは夫妻と妻と前夫との間に生まれた息子の3人。トラウマめいた過去を持ち精神を蝕む妻。甲斐甲斐しく支える夫。そんななか不気味な振る舞いを見せ始める息子…

実に不穏な空気が終始消えてくれない。そして割と地味。なんなら退屈な気がしないでもない。

が、とある秘密の露見に始まり、ジェットコースターの如く急加速する終盤の展開はけっこう好き。このためにそれまでを我慢する価値はあると思う。

あとはやはり古き良き70年代のプログレサウンドの抗い難い魅力。堪らん。
たむ

たむの感想・評価

3.9
イタリアホラーの巨匠マリオ・バーヴァ監督最後の劇場用長編映画の監督作品です。
夫を亡くした主人公が息子と再婚相手とある屋敷に移り住み、怪奇現象が起き始める…というのが主な筋です。
いわゆるホーテンテッドマンション系の物語を、巧みな演出術で描き出していきます。
ダリア・ニコロディさんのホラークイーンぶりも熱が入ります。
「ショック」というタイトルでもあるため、わかりやすいホラー、ショック描写がたくさんです。
バーヴァ監督はこれまで印象的なホラーキャラクターを生み出していますが、本作の主に手の描写は印象的です。
多くの名作ホラーを作り上げてきたバーヴァ監督の巧みな映画術を堪能できますね。

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