イチロヲ

多羅尾伴内のイチロヲのレビュー・感想・評価

多羅尾伴内(1978年製作の映画)
4.0
試合中に発生したプロ野球選手殺害事件の真相を究明するべく、私立探偵の多羅尾伴内(小林旭)が捜査に乗り出す。片岡千恵蔵の人気シリーズを小林旭主演でリブートしている、サスペンス・コメディ。探偵の名前は「たらおばんない」と読む。

百戦錬磨のマイトガイ探偵が、容姿・性格をカメレオンのごとく変化させながら、様々なシチュエーションに干渉していく。若手からベテランまで、そうそうたる顔ぶれが勢揃いしているため、映像内が晴れやかになっている。

スプラッター描写では、コンサート会場で殺害されるアイドル歌手(三崎奈美)のシーンが、どこかサスペリア風味で面白い。「夏樹陽子がアイヌの女性を熱演!」という惹句がモロにネタバレだが、犯人捜しの核心部分ではないので、ギリギリセーフ。

警部(財津一郎)が凶器を解説する場面では、署長役の水野晴郎が登場。後のシベ超では「実在の山下奉文に合わせたら、ああいう棒読みになった」と弁明しているが、本作でも同じテンションの芝居になっている。このときから、山下奉文リスペクトらしい。
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