クェ虫丸

ビースト 獣の日のクェ虫丸のレビュー・感想・評価

ビースト 獣の日(1995年製作の映画)
3.7
ちらっと感想見てみたら「悪魔は実在した!」って解釈してる人多すぎてビビった
まあ「はたから見たら狂人が実は世界の命運を握ってた」みたいな展開が大好きなのはわかる
俺もそうだよ
でもこの映画はそういう自己中心的で都合のいい思い込みまで揶揄してるだろうなーって感覚がするんだよね
「どこかにわかりやすい敵がいる!」という感覚を最初から最後まで風刺してる陰謀論映画だった

「ホームレス狩りが横行するような社会は悪魔の街でしかない」っていうそこそこ強めの思想が感じられる、社会的排除と小さな共同体内の包摂を風刺的に描いた、メッセージ性の強い映画だったと思う

最後にアンヘルが狂気にかられてやったことを後悔しつつも、神の道に背き法の裁きも受けずに、気が触れたカヴァンに肩を貸して背中を丸めながら歩いて消えるシーンは正直震えた
気づいても立ち止まれないんだから人間ってやつは
クェ虫丸

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