Violette

ディア・ハンターのVioletteのネタバレレビュー・内容・結末

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最後に見たのは何年前か。
また新たに気づくこともありまた見てよかった。
ロシア正教会が映り結婚式、その後のパーティと星条旗の飾りがありながら儀式、音楽や踊りはロシア式という設定。その後のロシアン・ルーレット。
のどかな山の風景、ピアノと酒場からいきなりのベトナムのシーンへの展開も何の説明もいらない切り替えとこれ以降身のすくむ緊張の連続。後半はほとんど涙がじわじわと出てしまう。ニックはどんなことがあっても見放さないでくれと出征前にマイケルに頼んでいたのに...。せっかく迎えに来たのに...。スティーブもそうだしマイケルも傷つき周囲の人たちも無傷では済まなかった。どちらも凄まじいことをしたのだからこの映画で北ベトナムがひどいと思いはしないし、歴史としてはアメリカの何の意味もないベトナム人の殺戮と自国民の殺戮であった。

マイケルの秘めた気持ちの表現が秀逸だし、精神も肉体もタフな彼の不器用さをこんなにうまく出せるデニーロはすばらしい。本作が映画2本目だったメリル・ストリープも舞台で鍛えていたこともありすでにずば抜けている。

非常に酷で辛いが傑作でありデニーロの芝居の中でも最高の作品の一つだと思う。大好きな作品。また間を置いて見返す。

ジョン・カザレが遺作。
Violette

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