視線の其の先に感情が存在する。
その視線の先の対象物を如何に察しどう感じて脳内で理解するかは、育ってきた環境と自らの積み重ねた経験と感性しかない。
感情の起伏は表面的な顔の表情だけで描写する必要性は全くない、逆に顔は単なるお飾りで邪魔にすら感じることもある。
少なくても誰かを真剣に愛したことがあるなら、その恐ろしさに震えあがるだろう。
互いの歯と歯がカチッと当たり唾液が絡みつく濃厚なキスが愛と思うなら勘違い甚だしい。
単なる不倫物語だとしても表現力によって上質な人間ドラマとなり、深く入り込めば緊迫した戦慄のサスペンスともなる。
各登場人物の視線を中心に深層心理を表面的〈静〉で魅力的に描写し、激しく燃え上がる内面的〈動〉な愛も憎しみもテクニカルに表現されている。
其の視線の感情について細々と探れば意味深で人間の一瞬の欲望を画角に収める絵画かフォトグラフに近い。
人間のココロが自然発火するには華氏451度も必要なく、0.1秒で激しく燃え上がる..★,