このレビューはネタバレを含みます
時間について考える映画。
本作は、一夜限りの出会いを描いた映画で、列車内で始まる2人の男女の物語である。ある女性が夫婦喧嘩に嫌気がさし、別の席に移動する。そこには読書好きで知識旺盛な魅力的な男性がいた。彼女は意図的にその近くの席に移ったのかもしれない。会話が弾み、2人は翌朝まで一緒に過ごすことになる。しかし、彼らは国籍も異なり、簡単には会えない関係だった。この時を逃すと、もう会うことはないかもしれないという思いが2人の惹かれあう力を強める。約束していた劇の時間も忘れて、お互いの価値観や恋愛観について深く語り合う。別れの時が近づくが、2人は再会を強く望む。半年後に再び同じ場所で会うことを誓う。もし2人が地理的、精神的に異なる場所にいたら、こんなに惹かれ合うことはあっただろうか。この場所、この時間で巡り会い、同じ価値観を共有することが奇跡だったのではないだろうか。強い感情が相手を魅力的に感じさせ、すべてを集中して向き合う重要さを教えてくれる。素晴らしい映画だった。
