『日本沈没』と同年に公開された藤岡弘主演の刑事アクション映画。
名カメラマン・木村大作のデビュー作でもあるそうで、手持ちカメラを多用した撮影など、臨場感たっぷりの映像がふんだんに収められている。
内容はベタな刑事モノなのだが、風俗描写がいっぱいで、当時のリアルな雰囲気が感じられる点が好み。悪役が革命を志す過激派グループの一味であるのも時代的だ。
大勢の人で賑わう銀座のホコ天で敢行されたゲリラ撮影シーンでは、通行人のリアルな表情やファッションが確認できる。
冒頭から電車の中吊り広告がアップで写される演出が実にユニークだ。
デパートでのロケ撮影シーンが多いのも印象的で、広告や商業施設などは、その時代の空気感を確認するのにうってつけの場なのかもしれない。