テテレスタイ

フォーガットンのテテレスタイのネタバレレビュー・内容・結末

フォーガットン(2004年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

母(主人公)がアブダクションとか言い始めてからストーリーが明後日の方向にぶっ飛んでいってしまった。空を見上げて、なんか変な雲が画面いっぱいに映し出されて。あっ。

これさ、母の妄想が実現していくストーリーだよねw

そもそも子供はまだ生きているとか言い出したのも、子供がアブダクションされたとか言い出したのも、アブダクションしたのは人間じゃなくてXファイルみたいな超常現象だと言い出し始めたのも母だった。母が頭の中に描いたことがどんどん実現していってる。

それに、敵がターミネーター2に出てくるような、いかにもな姿かたちをしていたのも母に想像できる精一杯の空想力で、オチが弱かったのも、母の妄想力の限界を表している。そう思うと辻褄が合う気がする。



でも、妄想が実現するなら、最初から子供が帰ってくる妄想をしようぜって言いたくなる。そこがこの映画のやべえところで、母は子供のことが一番大切だってずっと言ってたんだけど、実は、子供のことよりも自分が妄想癖だと思われていることの方が重大事で、そっちの方に執着していたんだよね。

母にとっては子供が帰ってくることよりも、自分は妄想癖じゃなくて最初からずっと正常な精神状態であって、周りの方が最初から変だったってことに拘り続けた。母は自分が正気だってことを論理的に証明したかっただけ。

NSAの職員や女刑事を吹っ飛ばしたのも母。NSAや女刑事に言わせる論理的な状況説明セリフをその場で母は思いつかなかったから吹っ飛ばした。そもそもぽっと出のどうでもいい登場人物だったしw

かかりつけの精神科医のことは母は好きだったから最後の決戦の前に彼を母のもとに出現させた。でも協力はさせなかった。なぜならホッケー選手の方が好きだからw

そして夫のことは嫌いだから彼の記憶を消したw

あ!そうか!

そもそも母が妄想癖になったのは、精神科医のことを好きになったからだなw 診察という言い訳で甘いひと時を過ごしたかったんだ。そして、ホッケー選手に出会って乗り換えたからもう精神科医は不要になったw
だから、妄想癖なんて最初から無かったことにして捨てたかったんだ!
賭けてもいい、記憶を失った夫は金融マンだ!



クライマックスシーンでの、母親の子供への愛を実験しているんだ!っていう状況説明は、なんとも奇想天外で、そんなわけあるかよ!って思わずツッコミを入れたくなるけど、その設定が母にとって一番都合がよいものだったわけだw

子供のことよりも、もっと別なことに拘っていたという事実を無かったことにして忘れさせてくれる都合の良い設定だからね!

まさにフォーガットン!