Jordgubbe

ドライヴのJordgubbeのネタバレレビュー・内容・結末

ドライヴ(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最初はちゃんとカーチェイスから始まるのに長めのオープニングでその勢いが一気にゆったりになり、その後しばらくは静かだった。しばらくは。

寡黙な男が既婚子持ちのステキな女性を想うだけの切ないストーリーか…と思った瞬間、待ってましたとばかりに銃ぶっ放してそこからはクライムシーンの連続。バンバン人死ぬ。


ライアン・ゴズリングは台詞も少なかったし表情も普段口角を(意識して)上げるぐらいだったのに、キャリー・マリガンのために声を荒げたり銃ぶっ放したりエレベーターで顔踏みつぶしたりトンカチで襲ったり…と何でもやるようになって怖。
絶対逃し屋だけじゃなくて殺し屋やってたやつやん…
まじであのエレベーターのシーンはトラウマになるわ…暗い部屋で見るんじゃなかった。
その後のバーニーがニーノの店にいたやつを殺すシーンはもうしんどすぎて見えなかった…
声を大にして言うべき!
皆さん!これはクライム映画です!
純粋な恋愛モノではありません!!!
(見終わった後にジャンル見たらクライムってちゃんと書いてあった。)


ライアン・ゴズリングの運転する横顔がイケメンすぎて。
おでこは出てるのにそこから一回引っ込んでまた鼻筋がバーン!って出てる(言葉で説明するの無理)。
そして表情の演技がとても良かった〜
そして筋肉。Tシャツしっかりピチピチしてた笑
あと誰ですか?ライアン・ゴズリングに革の手袋させようって考えた人?
はっきり言って最高です。


キャリー・マリガンはめちゃくちゃ可愛い!
おかえりパーティーの時の赤いワンピースがすごく似合ってた。

そしてスタンダードとかいう名前のパパが、なんと、オスカー・アイザック!!
全く気づかなかった!!!
訛りすごいし坊主とヒゲだし頭悪そうだしほとんど血にまみれてるシーンだったし…
でもあれが演技なのか。ちょっと衝撃。


2人のキスシーンは美しかったけど、結局2人は再会できないんだろうな。
ライアン・ゴズリングは腹刺されたまま運転して暗闇の中どこかへ。
死んじゃうかもしれないし遠くの街へ行くのかもしれないけど、きっと、アイリーンとベニシオのいないどこかへ…
切ない。また無表情に戻ってたラストシーン。

さらに切なかったのは、エレベーターに乗る前、スタンダードがなぜ死んだのか、状況を説明した時に「金は奪ったからほしいならあげる」って言ってアイリーンにバシッとビンタされて…
その後、「ベニシオと別の土地で暮らせる、俺も一緒に、君たちを守る」って言うシーンがもう見るの苦しかった…
切なすぎる。涙は全然出てこない、悲しいという気持ちじゃなくて、苦しいの方が近い。
ライアンはそもそも何も関係ないのに助けよう守ろうとしてくれてるのにビンタはあんまりだけど、アイリーンはビンタせざるをえなかったんだろうなぁ…


カーチェイスもただスピード出して振り切るんじゃなくて、隠れたり待ったりして楽に逃げる、というさすが逃し屋の仕事。

白っぽいライアン・ゴズリングのスタジャンがだんだん血で染まっていく感じも良いし、最初はやたら分厚いスタジャンだなと思ってたら最後の影のところでどっちがライアンか分かるようになのね!天才!ってなった。
最後のとこは影で表現してくれて助かった。あそこもためらいのないはっきりしたクライムシーンだったらもう無理だったわ。


ストーリーだけ聞けばそこまで真新しくはないけど、音楽とかカメラワークとか全部ひっくるめて見たらまぁお洒落な他にない感じの作品。
熱狂的な、というか根強いファンがいるのも分かるなと思った。

久しぶりに長々としたレビューになってしまった。
夢にエレベーターのやつ出てきませんように…。
Jordgubbe

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