Jordgubbe

TOVE/トーベのJordgubbeのネタバレレビュー・内容・結末

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初のオンライン試写会!

感想は…トーベ・ヤンソンには、もっとあったんじゃないかなぁということ。
既婚男性との不倫、そしてヴィヴィカ。
多分お父さんとの関係も。
こういう幸せよりつらさ、切なさが勝る関係がトーベ・ヤンソンの創作に大きな影響を与えたってことは分かる。
でも、決して恋愛とか人間関係だけから影響を受けた訳ではないと思うけどなぁ。

勝手に、創作の苦しみとかそういうのにスポットを当てた作品だと思っていたので、そういう意味では予想と全然違う作品。
むしろほとんどはムーミンを必死に隠そうというか自分の中でも認めきれない?ような扱いだった。

スナフキンはその紙の帽子から始まったんだとか、ビフスランとトフスランがそうやって生み出されたんだとかは知らなかったけど、ほんとかな?


アトスと結婚すると決めた夜、何かを振り払うように頭をぶんぶん振りながら踊るトーベが印象的だった。

あと、ヴィヴィカを思いながらベッドでアトスの上に横たわってる時と、パリで別れを決めてヴィヴィカの上に横たわってる時のトーベの表情の違い。


アトスがとにかく良い人。
トーベの独創性も、ヴィヴィカとの関係も(当時同性愛は罪だったのに)、全部ひっくるめてトーベを愛してたんだなというのがひしひし伝わってきた。
ベランダのシーンは切なかった…


暗い会話や背景が多い中で、子どもたちの笑顔は輝いていて、とても明るかった。
あと、最後の自画像を書いてるトーベの横顔も。それが救いだった。


もっと晩年のトーベも描いてほしかったな。これから!ってところで終わったし、トゥーリッキの存在なんてほとんど描かれず。。

女優さんたちの演技は素晴らしく、体を張った演技も多い。
トーベ役の人は髪の毛切ってから別人みたいにかっこよくなった!



個人的には久しぶりのスウェーデン語をたっぷり聞けて楽しかった。
アニメのムーミンってこんなスウェーデン語話すよなって感じの話し方をみんなしてた。独特のイントネーション。

映画の内容と全然関係ないけど一つ驚いたのは、トーベのお母さんがお父さんに「ファッファン」と言ったので「Fy fan」をフィンランド系スウェーデン語ではファッファンと言うのかと思ったらニックネームだったこと笑
Viktorのニックネームがファッファンは謎。


全体的には、ちょっと物足りない印象。
もっとフィンランドの自然とかが出てきてもいいのにと思ってしまった。
次回作もあるなら、そちらに期待!
Jordgubbe

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