あの有名監督が放つハートフルクライムムービー。
まず、気になったのはタイトル名の「マッチスティックメン」とは…?
直訳すれば、マッチ棒男なのだが、その意味合いとしてはいくつかあり、痩せていて見た目にか細い印象の男性とか、気持ちが細く神経質な男とか、俗語的には詐欺師を指すこともある言葉のようです。
今回の作品では、後者の2つが当てはまる主人公ロイ・ウォラーの物語。
主人公ロイを演じるのはニコラス・ケイジ、そのパートナーのフランクをサム・ロックウェルが演じています。
そして、監督は「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエーター」のリドリー・スコット。巨匠です。
詐欺においてはプロフェッショナルなロイは、私生活においては極度の脅迫神経症。
目もチックのため、終始パチパチしています。
自宅のドアでさえも3回で閉めるというルールを守らなければならないほど。しかし、そんな重症な不安症も医師から処方された薬さえ飲んでいれば落ち着くのだった。
ある日、ロイは大切な薬をキッチンの排水口に流してしまい、手持ちの薬を全て失ってしまう。さらに最悪なことに主治医は夜逃げして連絡が取れない状態に…。
もう、こうなってしまうとロイは不安で家から一歩も出られなくなってしまうのだった。
この状況を見かねたフランクが知り合いの医師を紹介してくれるのだが、その精神科医はロイに根本的な治療をすることを勧める。それは彼の心の中にある心のトゲを取り去ること。
ロイにとっては、別れた妻との間に子供がいるかもしれないことが兼ねてから気になっていたのだ。
精神科医のクレインを通して、娘アンジェラの存在を知ったロイは、ひょんなことから共同生活を始めることに…。
自分の仕事が何であるかも娘のアンジェラに知られてしまうが、それによって娘との関係もさらに良くなっていった。
この頃からロイの脅迫神経症もクレインのアドバイス通り改善されていった。
全てがうまく回り始めた矢先に、ロイはフランクから大きなヤマを持ちかけられる。
引退を考えていたロイなのだが、長年パートナーを務めてくれたフランクのために最後のヤマに取り掛かることにするのだが、
果たして詐欺はうまく成功するのか?そして、娘との関係も…。
多少、展開が読めてしまう部分もあるが、ニコラス・ケイジの演技のうまさやアンジェラ役のアリソン・ローマンの可愛さもあって、ミステリーの答え探しよりもヒューマンドラマに没頭出来たのが良かったですね。
巨匠監督が手がけた上質のドラマは誰にとっても楽しめる作品に仕上がっています。
オススメですよ。