イチロヲ

地獄の門のイチロヲのレビュー・感想・評価

地獄の門(1980年製作の映画)
4.0
霊媒師の幻視体験に深意を悟った新聞記者が、現世と地獄を繋いでいる霊道の所在を探っていく。サタニック・ゾンビによる侵食の恐怖を描いている、イタリア産ゾンビ映画。

ルチオ・フルチ監督の作家性が軌道に乗ってきた時分の作品。過去作で培ってきた映画術がてんこ盛りになっており、スプラッターとサスペンスの融合が心地よい。「この世には神も仏もない」をスマートに描いているところも好印象。

登場するグロ描写は、内蔵ゲロゲロ、頭皮ベリベリ、頭蓋骨スッコーン、蛆虫ウジャウジャなど。全力を振り絞れば反抗できるはずの被害者が、何故かされるがままのお人形さんになってしまうのが、フルチ流のスプラッター演出。

前半部は、オカルト現象を断片的に見せていく、ヘタウマ版スピルバーグ演出。そして後半部は、ゾンビが大暴れする、いつものアレ。「自称霊感が強い女子」のジタバタ模様と、ダッチワイフを瞬時に膨らませてくれる親切な怪異現象が笑いどころ。
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