TAK44マグナム

アメリカン忍者のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

アメリカン忍者(1985年製作の映画)
2.5
忍者の武器、それは殺人レーザー光線!


チャック・ノリスやヴァン・ダムの初期作品でお馴染みのキャノンフィルムズが躍進した理由のひとつは、間違いなく忍者ブームであったと思います。
ショー・コスギを100万ドルスターとしてブレイクさせたキャノンフィルムズの忍者シリーズ。
その中で、マイケル・ダディコフを主演に据えたのが、やはりシリーズ化された「アメリカン忍者」であります。
分かりやすいですねえ、アメリカンな忍者!
そのまんまなタイトルです。

お話は、意外性の無いストレートなもので大して面白くないし、肝心要の忍者アクションもどこぞの忍者村のショーのほうが迫力あるぐらいのお粗末さ。
もうね、おじいちゃんの膀胱みたいにユルユルな動きでして、昔の刑事ドラマとか、そういったテレビドラマレベル。
と言うか、演出も演技もロケーションも音楽も、何もかもが安いテレビドラマの規模でとどまっちゃっていて、迫力なんて全く感じられません。もちっと予算だしてあげないと!

大体、主役に華がなさすぎる!
記憶喪失とか、そういう無駄な設定なんて要らんので、もっとしっかりと動かないと!動けないのかもしれないけれど!
まあ、でてくる忍者すべてが体操選手みたいな感じだしなあ・・・

敵となる黒星忍者(忍び装束に黒星忍者と刺繍してある)も蹴りはスピードあって良いんですけど、他のアクションはトロかった。
しかし、この黒星忍者、忍びのくせしてレーザー光線を隠し武器にしてやがるんですよ!
それまで手裏剣投げたり、忍者刀で斬りあっていたのに、いきなり腕に装着した銃やレーザーガンで攻撃してくるもんだから卑怯も大概にしとけ!って思いましたよ。
面白かったけど(苦笑)

レーザー光線に驚きもしないで避けるアメリカン忍者に惚れる女子多数・・・かどうかは知りません。と言うか、女子は観ないか!

あと、黒星忍者が部下を訓練しているんですが、訓練生たちの忍び装束が真っ赤だったり黄色だったり、メチャ派手なんですよね。
もはや忍ぶ気がこれっぽっちも無い!
まあ、ラストバトルなんて真っ昼間だから、黒いの着ていても余計に目立ってましたけどね。

他に見どころといったら、「エクスタミネーター」で不良に再起不能にされていたスティーブ・ジェームズが、何故かランボーみたいな格好で機関銃を撃ちながら雪崩込んでくるところは吹きました!
なんであいつだけ軍服じゃないのよ(苦笑)?
変なマッチョマンと殴り合ったりするし!

悪い連中にはもれなく天誅が下るので後味は良いし、まどろみながら午後のロードショーででも観るならこれはこれでアリでしょう。
格好良さはないですけどね。
こんなんで当時のアメリカ人が「忍者かっけー!」ってなっていたのかと思うと、なんだか微笑ましいではないですか。
近頃は再び忍者ブームらしく、海外からの旅行者に忍者が大人気で何処でも忍者不足が深刻らしいですが、青い目の忍者!マイケル・ダディコフを推薦いたします!
もう還暦過ぎましたけどね!

クールジャパン!


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