浅野公喜

ツールボックス・マーダーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ツールボックス・マーダー(2003年製作の映画)
3.2
もしかすると「悪魔のいけにえ」が出発点にして頂点だったかもしれないトビー・フーパー監督による70年代スラッシャーらしい「The Toolbox Murders」(1978)のリメイク。

ボロアパートの住人が何者かに次々と殺されるわけですが、部屋で住人達がやばそうな事になっているかと思いきや俳優志望同士の読み合わせだったというミスリードは「名探偵コナン」の好きな初期のエピソード「歩美ちゃん誘拐事件」みたいで微笑ましかったり、顔を溶かしたり真っ二つにしたりと殺し方もバリエーション豊富なんですが映像が暗くそれらがいまいち活かされてないのが残念で中盤位までは探索がメインとやや退屈。管理人含むおっさん達がギャーギャー騒いでいる様は笑えますし、電動ドリルで女性の股を裂こうとする辺りは(雰囲気が)「悪魔のいけにえ」ぽくもあるのですがやっつけたと思ったら実は・・×2なエンディング含め比較的オーソドックスな作風に終始しています。

単なるB級ホラーと捉えるならまあまあ、フーパー監督作と意識すれば物足りなさを感じる一作と言えるでしょうか。アパートの住人の一人である老人はロン・ハワード監督の父、故ランス・ハワードでした。
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