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サマー・ストックのBOBのレビュー・感想・評価

サマー・ストック(1950年製作の映画)
3.5
『イースター・パレード』『上流社会』のチャールズ・ウォルターズ監督×ジーン・ケリー×ジュディ・ガーランドのMGMミュージカル。

女手一人で経営している農場に、女優の妹が都会の劇団を引き連れて帰宅する。納屋を舞台にしたミュージカル興行を開くことになる。

"We're trying to tell a story with music, and song, and dance. Well, not just with words. For instance, if the boy tells the girl that he loves her, he just doesn't say it, he sings it."

ジュディ・ガーランドとジーン・ケリーの共演作は初めてだった。改めて、二人とも大スターだ。ジュディ・ガーランドの歌と、ジーン・ケリーのダンス、そして二人のケミストリー。明るく楽しく賑やかなミュージカル映画だった。

ストーリーで興味深かったのは、劇団員たちをあからさまに毛嫌いする町の人々の姿。田舎と都会、親世代と子世代、伝統的な舞踏会ダンスと自由なポップダンスなどの対立は、何となく『フットルース』っぽいなとか思いながら観ていた。

本作がMGMラスト映画となったジュディ・ガーランド。デニムのオーバーオール姿で、大型トラクターを運転するシーンが印象深い。金持ちのぼんぼんである婚約者に対して、全く媚びずにはっきりとものを言う姿が清々しかった。

ジーン・ケリーは体幹おばけ。ダイナミックなダンスをしても全く軸がぶれない。遊び心溢れる新聞紙タップダンスが、個人的に好きだった。

撮影当時のジュディー・ガーランドは、薬物中毒によって心身ともに不安定で、本人も制作陣も色々と大変だったらしい。ジーン・ケリーは、自分を映画の世界へと導いてくれた恩人ジュディー・ガーランドを献身的に支えたらしい。

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