クリーム

その女を殺せのクリームのレビュー・感想・評価

その女を殺せ(1952年製作の映画)
4.0
凄く無駄の無い映画で、71分の中に二度三度のどんでん返しがあり、敵か味方か解らない、疑心暗鬼サスペンスになっている。冒頭から展開が早いので、あっという間に終わってしまった。これは、傑作と言われるのも納得の作品。
ロス市警のブラウン刑事とフォーブス刑事は、殺されたマフィアの未亡人ニールを組織犯罪の証人として出廷させる為に、シカゴからロスまで列車で彼女を移送する。が、組織にバレていて、急襲されフォーブスは殺害されてしまう。何とか列車に乗り込んだブラウンとニールだが組織の追っ手も乗り込んでいて、ニールを殺そうと狙っていた。



ネタバレ↓




迎えに行ったアパートで年配の相棒フォーブスが射殺されてしまう。 このハイスピードで相棒が亡くなる展開に驚かされた。早っ!
移送するニールが煩くて、嫌な女でブラウンとの衝突も面白い。そして、食堂車で知り合った清楚なアン婦人は、組織にニールだと勘違いされてしまう。ブラウンとアン婦人のロマンスを漂わせながら、話が展開するのだが、列車の乗客達のキャラが良い。怪しげな肥満男性、いちいちブラウンの邪魔をする子供やその面倒見役など、時に助かり、時に障害となってサスペンスを盛り上げる。
後半になると追手の一人が乗った車が列車と並走し続けるのだが、闇夜の中、不気味だった。
結局、肥満男は列車内の警官で、味方だった。この人もブラウンも弱いから面白い。そして、ニールが射殺されてしまうのだが、彼女は婦人警官で、マフィアの未亡人は勘違いされた筈のアン婦人だったと言うオチ。これには、驚いた。完全に騙されてしまった。ブラウンに電報で指示されて、並走する車を追っていた警察車両が、線路に入ったその不審車を挟み打ちにした所に汽車もギリギリで停車して、3方向から取り逃がした1人と不審車に乗っていた犯人を一気に逮捕するシーンは、完璧。格好いい構図で終わります。面白かった。

※撮影期間13日、予算20万ドルでこの映画を撮ったというのも凄すぎる!
噂通りのパーフェクトな映画だ。
クリーム

クリーム