歩葉戸路素

ラッツの歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

ラッツ(1983年製作の映画)
5.0
イタリア映画界のカリスマ、ヴィンセント・ドーン氏の傑作ドブネズミ映画

核戦争後の荒廃した未来世界が舞台
暴走族のヒッピーみたいな主人公たちが食料を探して旅をしている場面から始まるので凄く壮大な映画かと思いきや劇中ほとんど小さい建物内でストーリーが展開されていく…
しかもその建物には地下で突然変異して人間を喰い殺すドブネズミが大量発生していた…!!

映画内に出てくるドブネズミはほとんど本物のネズミを使って撮影してるらしくリアル感あるが、うろちょろしてるだけで襲ってる感じがしない
それなのに人間サイドがオーバーリアクションでドブネズミに驚いてるのでギャップがあって笑ってしまう…なんという茶番劇
でも人間の死体は無駄にリアルで、そこまでするか…ってぐらいグログロだった(笑)

時代考察もかなりテキトーで世界破滅から数百年経ってるのにビデオゲームに詳しい人物がいたりする…(もしかしたら荒廃してるが電気は供給されてる世界観とか?)
あとクールなキャラなのにいきなりヤケクソになったり、またクールに戻ったり…
キャラのブレもあるが逆に映画の因習を踏んでなくて結構好きだったりする

ラストはドーン監督いつもの救いのカケラもない大バッドエンドなんだけど、これがかなり凄い
本当にめっちゃ凄い……何喰って生きてたらこんなラスト思いつくんだよ…嫉妬するレベル
とにかく見所はイタリアホラーならではのトンデモ大どんでん返し…!!
これだけで今までの茶番劇が全部清算されてお釣りが来るぐらいのインパクト
余裕の満点である

自分はDVD買ったが、普通にレンタルにもあるそうなのでイタリア映画が好きなマイノリティの方々は必見の激ヤバカルト映画!!!
歩葉戸路素

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