つるつるの壺

コントラクト・キラーのつるつるの壺のネタバレレビュー・内容・結末

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アキ・カウリスマキの作品は失業が死に直結している。それほど殺伐とした国で男と女が互いに身を寄せ合いながらここではないどこかを目指す。労働者階級に祖国なんてないというセリフが良い。

自殺を断念し、殺し屋を雇って自分を殺してもらおうとするが、自分の死に殺し屋という他者が介入することによってコントロール不可なものとなり、常に死を意識するようになる。
自殺という自己完結する死ではなく、他者を介し、そこに関わる人の情念を感じるというのは自殺では得られなかったものだ。