アトミ

処刑男爵のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

処刑男爵(1972年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

50点

空の旅って感じの爽やかサントラをバックに旅客機が大空を飛ぶオープニング。
そしてピーター・クライストがウィーン国際空港に到着。
叔父のカール・フンメル大学教授(初対面)が出迎える。

ピーターは一族の歴史に興味があり、父方の祖先である「残虐フォン・クライスト男爵(処刑男爵)」の事を調べるためにやってきた。
男爵は今だに地元では嫌われる存在だった。

夜。
ピーターと男爵の「悪魔城(今はホテルに改装中。地元住民は夜近づかない)」で出会った文化財保護局のエヴァ(悪魔城の卒論を準備中)はカール宅のディナーに招待された。

と、城で男爵の姿(魔女エリザベト・ホールの言う通り、火傷を負っている)を見たことがあるという娘のグレッチェン。
その話に興味を持ったピーター。
男爵に火あぶりにされた魔女エリザベトは死ぬ前に男爵に呪い(今までに行った拷問が100倍返しで帰ってくる)をかけた。
ゆえに、男爵は悲惨な死(拷問の後、焼死。遺体は行方不明)を遂げた。
魔女は男爵を再び拷問するために「復活の呪文」を残した(それがピーターの祖父宅の屋根裏から見つかる)。

ピーターはエヴァを送るついでに2人で悪魔城へ。
そして男爵が処刑された部屋で「復活の呪文」を試してみた。
と、説明に通り鐘が鳴り響(男爵が死んだ2時に合わせて2回)き、足音が聞こえ、何者かがドアを開けようとする。
恐ろしくなった2人は「男爵を墓に戻す呪文」を唱えた。
「何者か」は消えた。
2人は午前中にもそのようなイタズラをした守衛のフリッツの仕業だと考えた。


翌日。
2人は悪魔城へ戻り、改装工事主任ドルトムントにフリッツの所在を尋ねたが、彼は昨日の時点で解雇されていた(当然夜中にいるわけなし)。
ピーターは昨日の部屋へもう一度行きたいとエヴァに言う。
呪文の紙と一緒に見つかった城の地図によると壁沿いに通路があり、それを見つけたい。と。

ピーターは隠し通路を見つけ、奥へと入る。
そこで「男爵の肖像画(顔を刃物切り刻まれている)」を発見。
男爵は相当な恨みを買っていたのだろう。

夜。
2人は再び「復活の呪文」を試してみた。
鐘が2回なる。
窓から突風が吹き、呪文の紙が暖炉へ。
何者かがドアをこじ開けようとする。
恐ろしくなったエヴァは「墓へ返して!」と叫ぶが、呪文の紙は燃えてしまった。
ドアの隙間から血が流れ込む。
エヴァ発狂。興味スパーキングのピーターはドアを開け外へ。
が、誰もいなかった。

男爵が復活した。
男爵はヴェルナー・ヘッセ医師の自宅へ行き、ドアをノックする。
顔中(てか全身)火傷血まみれ状態の男爵を見て、医師は男爵を治療する。
医師は病院へ行った方がいいとTELし、救急車を呼んでる最中に男爵に殺されてしまう。
ご機嫌に歌を歌う酔っ払いも男爵に殺された。

翌日。
ピーターとエヴァはカールに男爵を復活させてしまったこと、医師の暗殺も男爵の仕業かもと相談。
が、カールはまともには取り合ってくれない。


男爵は残業していたドルトムントを殺す。
そして秘密通路の小部屋の床下に隠された宝箱を開け、中身を確かめた(宝石いっぱい)。
と、何かを盗みにやって来たフリッツが、ドルトムントの死体を発見。
フリッツはドルトムントから指輪を盗もうとして男爵に鉄パイプでどつかれ、地下の拷問部屋の「蓋の内側針針棺桶」に入れられ、殺される。

翌日。
首吊り状態で発見されたドルトムント。
皆は自殺と考えた。
が、警部は他殺と睨んでいた。解雇された恨みを持っているフリッツが近くで目撃されたという情報があったため、捜査される。


そんな中。
城と土地のオークションが行われ、アルフレッド・ベッカー氏(足が悪く車椅子)が落札。
ベッカーは城を「昔の状態に戻して住もう」と考えており、それなら助言はエヴァがうってつけだとカールは紹介した。

後日。
エヴァは自分で修復した織物(元々城にあったもので街の小さな骨董品で見つけた)を持って城を訪れた。
ベッカーに蘇った男爵と次々起こる惨劇の話をした。
エヴァは子供の頃に聞いたことがある伝説の中に男爵を眠らせるヒントがあると考えていたが、思い出せずにいた。

と、ベッカーは織物をちょっと手すりにかけてみてほしいとたのんだ(雰囲気を見るため)。
と、織物を手すりにかけた途端、エヴァは朦朧とし出す。
と、ベッカーが声をかけ、正気を取り戻したエヴァ。
ベッカーは織物を上の仕事場へ持って行って欲しいと頼んだ。

エヴァはタンスの中に織物を片付け、扉を閉めると男爵が!
エヴァスクリーム!飛んで逃げる。
が、男爵が追いかけてくる。
と、到着したピーター。エヴァスクリームを聞き、助けに向かう。
が、男爵は消えていた。

夜。
ピーターはエヴァを学生寮へ送った。
2人はキスし別れた。

エヴァが部屋へ戻ると電気がつかない。
コードを切られている。
窓から男爵が現れた!
エヴァは窓から屋根をつたい外へ逃げる。
男爵が追って来る。
入り組んだ路地を逃げるエヴァ。
カール宅へ逃げ込んて、助かった。


翌日。
大学の教室にエヴァとピーターを呼んだ。
カールは超感覚的知覚(超能力)の研究もしており、昨夜のエヴァの話が気になっていた。
男爵の可能性は否定できない。
封印されないために男爵はまたエヴァを殺しにやってくるだろう。
カールは男爵を封印する別の方法に心当たりがあった。

学生らを集めて超感覚的知覚実験を行った時に1人だけ気になる人物がいた。
クリスティン・ホフマンという女性。
彼女は生者と死者をつなぐ霊媒師だった。

3人はクリスティンのもとを尋ねた。
が、もう手遅れだと言われる(なんで来たかお見通し)。
2人は彼に殺される運命よ。と突き放す。
が、3人は助けを求める。
クリスティンはエリザベトの遺品を持ち出し、今夜彼女が焼かれた場所へ行くと言い出した。


夕暮れ(夜でいいか)。
彼女が焼かれた場所で儀式を行う。
ピーターとエヴァに遺品を握らせ、クリスティンはエリザベトを呼ぶ。
焚き火の中にエリザベトが現れ、クリスティンの体を使い、話す。

まず呪いの書を失ったことを叱るエリザベト。が、男爵が蘇ったことでまた「苦しめることが出来る」と喜んだ。
そして手を貸すと言い、力を与えた。


3人が去った後、クリスティンは自分に死が迫っていることに気づく。
窓の外を見ると男爵が覗いていた。


3人は警察署に呼ばれていた。
真剣に男爵の話をはするが、警部は信じない。
と、カールはグレッチェンが毎日学校帰りに城の前を通ることを思い出し、急いで向かった。

森を逃げるグレッチェン。追いかける男爵。
車をぶっ飛ばすカール。
血を流すグレッチェン発見!
チャリでコケたようだ。皆安心。
とりあえずベッカーが危険だと皆で報告に。
が、ベッカーは信じない。
てか今夜の城の修復完成パーティーに招待された。


カール宅。
グレッチェン「ベッカーさんはお化けよ。目でわかった。」
とりあえずカールはグレッチェンを部屋へ。

カールはベッカーを怪しんでた。
確かにおかしな点があるとピーターとエヴァ。
もしもベッカーが男爵なら今夜行くのは危険だとカール。
が、ピーターとエヴァには男爵を滅ぼす力があるとエリザベトが言ったと2人は行く気満々。
その話を聞いていたグレッチェンは「首飾り(遺品)よ。」と教えた。


夜。
3人は城へ。
隠し通路の奥の部屋にあった「男爵の肖像画」が、メインホールに飾られていた。
と、ベッカー登場。
ベッカーは男爵がやっていたように塔のてっぺんに死体を吊し上げた。
3人はレプリカにしても悪趣味過ぎるとドン引き。
が、そもそもベッカーは「城を昔の状態に戻す」という目標で改装していた。
地下の拷問部屋も当時のままに再現。
スイッチを入れるとスピーカーからは断末魔の叫びが流れる。
とりあえず皆ドン引き。エヴァの気分が悪くなり、3人は失礼することにした。

1階へと上がった3人はベッカーをどうするかで揉めだす。
とりあえずピーターはこんなチャンス(死人の研究)はないとテンション上げてるが、カールは大反対。

と、ベッカー登場(歩ける)。
「教授。研究者魂はどこ行った?」
ベッカーは男爵だった。
エヴァは首飾りをかざすが何一つ効かない。
カールは銃を発砲。命中するが、効かない。
3人捕まり、拷問部屋へ連れて行かれる。

気がついたエヴァ。
カールは繋がれ、ピーターは焼きゴテで焼かれる寸前。
と、エヴァは「蓋の内側針針棺桶」の中のフリッツの死体と目が合い、ビビって首飾りをフリッツの喉元へ落す。
と、煙が上がりだし、男爵が苦しみ始めた。
フリッツが動き始め、起き上がる。
男爵は苦しみ、床に倒れる。
フリッツは男爵のもとへ歩み寄る。
男爵は元の火傷血まみれ姿に戻る。
その間にエヴァはカールとピーターを助ける。
男爵に殺された者達が生き返り、次々と集まってくる。
男爵は縛り付けられ、拷問される。
断末魔の叫びが城中に響き渡る。

3人は無事城から脱出し、車を走らせた。
城の上に現れたクリスティンは男爵へトドメを刺すことをエリザベトに要求。
心臓を切り刻んでやる!と高笑いし消えた。





というお話。
もっと男爵が手当り次第処刑無双してくれたら好みなんだけど、ちょっと大人し過ぎるだろ。
じわじわ痛めつける処刑じゃなくて、すぐ殺しちゃうし。
エヴァ追いかけても詰めが甘いし、てかそもそも復活初登場でもドアノブガチャってドアをグイグイ押して膨らませただけで消えちゃうし。
てか医者に手当してもらう意味ないんじゃん?

未来が読めるクリスティンは簡単に死んじゃうし、てか「男爵倒す力」が「エリザベトの首飾り」ならクリスティンに「力」があったんじゃん。お前行けよ。
ベッカーが男爵なのもバレバレだし。
とかツッコミどころ満載。
ちょっと脚本に問題ありかな。



PS
エヴァが霧の街を逃げるシーンのライティングはいいね。

PPS
てか最大の敵役エリザベトが復活するか、ラストバトルに関わるかと思いきや、出てこなくて肩透かし。
アトミ

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