Donguri5656

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生のDonguri5656のレビュー・感想・評価

5.0
映画的な野心あふれる
とんでもない傑作でした。

編集、カメラ、サウンドなど、
もうヒッチコックタッチ満載で、
直接的に見せずともそれ以上の恐怖を
感じさせ、映画ならではの醍醐味を
味わえ、テイストも、
ホラーというより
サスペンス映画の趣き。

そこへもってきて、あからさま、とも
いうべき人物配置で、セリフでは
語られないものの、各人の行動様式から、
暗喩が溢れ、ラストに至って、もはや隠す
ことなく社会的テーマを突きつけてくるなど、
文学性も高い。

デトロイト暴動が前年、キング牧師暗殺が
同年、ベトナム戦争のうちテト攻勢も同年
と、(作り手の意図がどこまでだったかわ
からないけど)極めて同時代性を持った
映画だったんですね。

80年代以降からか、スプラッタや身体破壊
描写をサブカル的にギャグとして取り扱う
流れがあり、個人的には苦手だな、と感じ
ていたが、元祖?本家?のようなこの映画
が、ほとんど、そのような演出がないこと
も、驚きだった。

映画って、何よりも、作り手の志が絵に
でるね。

瑣末なことだけど、石を道具として使って
いて驚いた。
Donguri5656

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