映画的な野心あふれる
とんでもない傑作でした。
編集、カメラ、サウンドなど、
もうヒッチコックタッチ満載で、
直接的に見せずともそれ以上の恐怖を
感じさせ、映画ならではの醍醐味を
味わえ、テイストも、
ホラーというより
サスペンス映画の趣き。
そこへもってきて、あからさま、とも
いうべき人物配置で、セリフでは
語られないものの、各人の行動様式から、
暗喩が溢れ、ラストに至って、もはや隠す
ことなく社会的テーマを突きつけてくるなど、
文学性も高い。
デトロイト暴動が前年、キング牧師暗殺が
同年、ベトナム戦争のうちテト攻勢も同年
と、(作り手の意図がどこまでだったかわ
からないけど)極めて同時代性を持った
映画だったんですね。
80年代以降からか、スプラッタや身体破壊
描写をサブカル的にギャグとして取り扱う
流れがあり、個人的には苦手だな、と感じ
ていたが、元祖?本家?のようなこの映画
が、ほとんど、そのような演出がないこと
も、驚きだった。
映画って、何よりも、作り手の志が絵に
でるね。
瑣末なことだけど、石を道具として使って
いて驚いた。