てる

HK 変態仮面のてるのレビュー・感想・評価

HK 変態仮面(2013年製作の映画)
3.5
なんて下品で、なんて楽しそうな作品のだろうか。キャスト含め、製作陣はさぞ楽しかったことであろう。
福田雄一が監督だったんだね。知らなかった。でも、観てたらわかったよね。ムロツヨシとか佐藤二朗とかお馴染みのキャストが出演していたし、作品自体も福田節が全開だった。

まず、マーベルをパクったオープニングから面白い。その後はふざけにふざけた演出だらけ。スパイダーマンみたいな描写もあれば、最後のメカはエヴァっぽかったし。オマージュというよりはパクりというか、果たして方々に確認を取った上でやっているのだろうか。
低予算だったという話を聞いているけど、CGとか頑張っていたね。キレイとは言えないクオリティの低い雑な感じのCGが、また味わい深くて面白かった。
予算は少ないけど頑張っているんだな、という哀愁のような気持ちにさせられる。
福田監督はこのくらいの規模の作品をやらせた方が色んな柵がなさそうで、楽しそうに見える。可能な限りでやりたいことを自由に出しきったという風に見える。作品が生き生きしていた。

役者は特に楽しそうだった。鈴木亮平や清水富美加なんかは笑いを押し殺して芝居をしていたようで、監督にやらされている感のあるその姿はどんなシーンでも笑いを誘う。
そして、今回の男優賞はやはり安田顕だ。なんの恥ずかしげもなく本気でやっているのが伝わる。
この人マジで変態なんだろうなと思う。役の垣根を飛び越えて、本気で楽しそうだ。変態を演じさせたらこの人の右に出る者はいない。
というか素面でも変態なのは間違いないと思うが。

家族と観るには気が引けるが、気の合う友人と休みの日にビール片手に観賞するのに最も適した作品だ。酔っぱらいながら爆笑して観たい。ある意味ノンストレスで観れる良い作品だ。
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