このレビューはネタバレを含みます
2024年125本目
頑固ジジイが一大決心！
最愛の妻・マリオンにしか笑顔を見せない無口で気難しい頑固な夫・アーサー。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップスを歌う風変わりな合唱団「年金ズ」で歌うこと。ある日、「年金ズ」が国際コンクールのオーディションに挑戦することになるが、そんな折にマリオンのガンが再発してしまい…。
この内容的に、邦題は全く合っていない気がする。
『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』のテレンス・スタンプ、『ジュリエットからの手紙』のヴァネッサ・レッドグレイヴ、『007 慰めの報酬』のジェマ・アータートン、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のクリストファー・エクルストン、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン！』のアン・リードらが出演。
主題歌は、セリーヌ・ディオンの“Unfinished Songs”。
『幸せなひとりぼっち』や『グラン・トリノ』、『ヴィンセントが教えてくれたこと』など、偏屈で頑固なジジイの物語は定期的に見たくなる。
唯一の理解者で、最愛の妻・マリオンを亡くしたアーサーが、誰ともその悲しみを分かち合えず、不器用な性格ゆえに息子との間にさえ大きな溝が生まれてしまう展開は見ていて苦しいが、「年金ズ」のメンバーの温かなサポートを受けて、少しずつ生き方を変えていこうとする姿に胸が熱くなる。
劇中で「年金ズ」が歌うのは、シンディ・ローパーやスティービー・ワンダー、モーターヘッド、ビリー・ジョエルなどのヒット曲の数々。リズムに合わせてステップを踏みながら生き生きと歌う彼らはとても楽しそうで、音楽、合唱の素晴らしさを感じられた。
自分が歳を重ねても、ロボットダンスをして首の筋をやっちまうような生き方がしたい。
