教育実習生時代にレイプ被害を受けた女教師(風祭ゆき)が、元教え子の少女(太田あや子)との再会をきっかけに、性の在り方を刷新させていく。「生きるための活力としてのセックス」を真摯に描いている、日活ロマンポルノ。
主人公によるレイプ犯捜しの物語かと思いきや、途中から方向性が一転。太田あや子がメンターとなり、セックスするだけで女性のことを女神のように崇めてくる「男性心理の不思議」へと落とし込んでいく。
太田あや子の父親(三谷昇)が、活力を喪失している男の代表格として登場。悪い人間ではないのだけど、シンナーに依存しており、自己嫌悪に苛まれている。父娘そろって社会不適合者なのだが、自力で生き抜こうとしている点では、自立とも捉えられる。
様々な思惑が幾重にも交錯する物語のため、全体的に走り過ぎの感があるけれど、「女性映画としてのロマンポルノ」の醍醐味が、たっぷりと詰まっている。