浅野公喜

タイム・シーカー(タイムクラッシュ・超時空カタストロフ)の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.9
キャスパー・ヴァン・ディーン演じるTVレポーターが過去の大惨事の写真に共通する人物を発見したことで歴史改変に挑むテレビ映画として制作されたSF。

過去の惨事を体験する未来から来たツアー客という設定は、未見ですが「グランド・ツアー」風。これから起こる惨事を回避する為に飛行機を意図的にハイジャックしたり地下鉄を止めたり別居中の妻子が行くスタジアムの爆破を阻止したりと緊張感有る場面が終始続き、歴史改変に伴い妻子との関係をも修復する流れが見事。また、未来人の一人は主人公が生きた場合自らの子供が死ぬ為に主人公を狙うというある意味真っ当な理由を持っており、主人公との「正しさの衝突」を間接的ながら描くことで観る側に歴史を変える事は正しいのか、そうでないのか考えさせる内容になってます。

中盤主人公に起こる悲劇も未来人のアイテムによってあくまでミスリード的役割になっているのも後味が悪くなく〇(エンディングは人によっては後味悪めですが)。欲を言えばツアー客が中盤以降もキーパーソンとして絡んできても良いかなと思いましたし、BGMがワンパターンだったり一部爆破に「溜め」が無くやたらあっさりしていたりと所々安っぽさは有りますがかなり良作でした。

ツアー客を演じるジュリアン・リッチングスは個性的な風貌でミステリアスな雰囲気が〇。ちなみに彼は「キューブ」(冒頭の人)や「クライモリ」(落ち武者風殺人鬼)にも出演していたみたいです。
浅野公喜

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