たーたん

水のないプールのたーたんのレビュー・感想・評価

水のないプール(1982年製作の映画)
3.5
実際の事件を下敷きにした脚本と知って驚愕。ポルノ映画の部類なのだろうが、これはスリラーですよ。犯罪映画。
内田裕也はいつもの感じの演技で感情を簡単に出さない犯罪者。しかし映画館の売店でジンジャーエールを置いてなかったり、自分のターゲットに親しく近づく男性を半殺しにしたりと、突然の狂気の爆発を我々に見せる。これが怖い。
薬品を使った犯行は淡々と行われる。無駄なBGMもセリフもないから鑑賞者が現場にいるような錯覚に陥る。緊張感。思わず息を止めてしまうほどだ。
犯行後に朝食作ったり風呂掃除、洗濯、部屋の整頓とか男の生真面目さと変態さが表現されてて笑った。そしてタモリや赤塚不二夫が出てきて陰湿なムードをやわらげてくれる。
胸くそ悪い犯罪映画なんだけど、所々笑いどころがあったりして妙な映画だった。
(犯行中に粉塵マスクを外しちゃってむせてしまうところとかね。)