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胸騒ぎの恋人
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目次

胸騒ぎの恋人の作品紹介

胸騒ぎの恋人のあらすじ

親友のマリーと同じ彼、ニコラを好きになってしまったフランシスの視点で描かれる本作でドランは、恋に落ちる過程の検証を試み、片思いの苦悩に肉薄する。2人は内心ニコラにぞっこんなのに悪口を言って相手の腹を探ってみたり、ニコラの思わせぶりな仕草に期待を持ったり…。押し寄せるのは、もどかしさ、ほろ苦さ、ジェラシー、探り合い、駆け引き——。出会いに始まり、涙で終わる、切ない恋心。ティーンなら誰もが味わうポエティックなカオスを、ポップなカラーアート、ヴィンテージの服、クラシックな音楽で再現。ドランならではの異形な恋のスタイルがスクリーンに溢れ出す傑作ラブストーリー。

胸騒ぎの恋人の監督

胸騒ぎの恋人の出演者

原題
Les amours imaginaires/Love, Imagined
公式サイト
http://picturesdept.com/jp/titles/heartbeats/
製作年
2010年
製作国
カナダ
上映時間
102分
ジャンル
ドラマ恋愛
配給会社
ピクチャーズデプト

『胸騒ぎの恋人』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.0
 フランシス(グザヴィエ・ドラン)とマリー(モニア・ショクリ)は互いのことを知り尽くした男女の親友同士であるが、ある日パーティで知り合った同じ男ニコラ(ニール・シュナイダー)を好きになってしまう。最初は仲良し3人組として仲良くやっているように見えた3人だったが、フランシスとマリーは互いの腹を探り合い、時にニコラの態度に一喜一憂してしまう。処女作『マイ・マザー』は親子の愛憎関係に迫ったグザヴィエ・ドランの反自伝的物語だったが、2作目の『胸騒ぎの恋人』は三角関係に揺れる男女の恋の駆け引きを描く。冒頭、それぞれの愛について語る男女の姿がクローズ・アップで映される。『マイ・マザー』ではドラン自身が母親について語るインタビューを物語の中に解け込ませたように、今作でも直接物語には何ら関係性のない男女の独白が要所要所に挿入される。ニコラという男は金髪巻き毛の高身長の美青年で、ほぼ同じタイミングでフランシスとマリーは彼に恋をしてしまう。この男どこかミステリアスな雰囲気で自分の気持ちをあまり強く押し出さないタイプで、2人は互いにニコラにどう思われているのか悩んでいる。

 親友であれば、互いの気持ちをカミングアウトすれば幾らか楽かもしれないが、ストレートな女性と同性愛の男性という垣根からかなかなか本音が切り出せない。そのじりじりするような2人の姿を前半は素描する。女の方にはもう1人愛人がいて、むしろその男の前でだけ本音をさらけ出せるようで、煙草を吸いながら幾らか本音めいた話をしている。ドランのライティングがまた巧妙で、マリーと愛人の最初の情事には赤色のライティングが施され、2度目の情事の際には黄色、同じくフランシスとニコラの寝室におけるライティングは緑を基調とし、それがクライマックスの象徴的場面になると青に変化する。それ以外にも『マイ・マザー』では出来なかった美意識が炸裂している。一番象徴的なのはBGMを使用したスロー・モーションの多用であろう。例えばニコラの誕生パーティにプレゼントを持って出掛けるフランシスとマリーの歩く姿を、壮大なスロー・モーションを使いながらクロス・カッティングで見せている。思えば前作でもクライマックスの花嫁衣装の女性を主人公が追いかける場面などでスロー・モーションの使用があったが、今作ではそれが随分強調されている。やがて3人で山小屋へ小旅行に出かけた時、事件は起こる。そこでフランシスとマリーの不和は決定的になる。

 カメラは基本的にクローズ・アップで3人の表情を追う。印象的なロング・ショットはこの山小屋の場面くらいで、あとはほとんどない。役者の背面にいる時も、その役者にぴったりとくっつきながら臨場感豊かに描いている。また役者の背面ショット自体も普通の映画に比べ、極端に多い。マリーは「手紙」で、フランシスは携帯電話ではなく「自宅電話」で、ニコラに思いを伝えようとする。この「手紙」と「電話」の使用が実に心地良い。効果的な色味の使用、印象的なスロー・モーション、手紙と電話、クラシック音楽とスタンダード・ポップス、ヴィンテージ・ファッション処女作『マイ・マザー』以上にグザヴィエ・ドランの強い美意識が滲む。ニコラの上からマシュマロが降って来るショットはただただ美しかった。
kuu

kuuの感想・評価

3.9
『胸騒ぎの恋人』
原題 Les amours imaginaires/Heartbeats
製作年 2010年。上映時間 102分。
カンヌ国際映画祭で3冠に輝いた『マイ・マザー』で鮮烈なデビューを飾ったカナダの俊英グザビエ・ドランが、同じ男性を好きになった男女の苦悩や駆け引きを独特のタッチでつづった長編第2作。
ドラン監督自身がフランシス役を、『わたしはロランス』のモニア・ショクリがマリー役を演じる。
グザヴィエ・ドランは、ウディ・アレンの映画『夫と妻』(1992年)にインスパイアされ、まるでドキュメンタリーのようなカメラフレーミングにしたことを認めている。
ゲイの青年フランシスとストレートの女性マリーは親友同士だったが、パーティで出会った美青年ニコラに同時に一目ぼれしてしまう。
本心とは裏腹にニコラの悪口を言ってみたり、ニコラの思わせぶりな態度に期待を抱いたりと、切ない恋心を募らせていく2人だったが……。

21歳のフランス系カナダ人、グザヴィエ・ドランの脚本家・監督・主演・コスチュームデザイナーとしての2作目の作品。
英語タイトルの『Heartbeats』は詩的で、はらはらさせるのに適しているが、フランス語の原題『Les Amours Imaginaires』(想像上の愛)は、ネタバレ警告に近いほど的を射ているかな。
しかし、翻訳で失われていないのは、ドランの鋭く、完璧な才能であり、彼の珍しい比較的な平凡さへの進出、つまり、お喋りと失恋による "ロマンティック・コメディ "は、彼の平均的な作品よりもお騒がせかもしれへんけど、伝染するほど見やすく、邪悪なほど面白かったです。
ドランは明らかにフランスの映画監督、脚本家、俳優であり、ヌーヴェルヴァーグを代表する監督の一人フランソワ・トリュフォーの初期作品に魅了されているよう。
彼のデビュー作『マイ・マザー』は『大人は判ってくれない』への直接的な賛辞であり、今作品は『突然炎のごとく』の機能的なリメイクかな。
ドランは、第一次世界大戦時のフランスのボヘミアン・シックと21世紀のモントリオールのヒップスター・カルチャーを並置することで、曖昧で親密な友情における愛、欲望、愚かさの永遠性を引き出している。
ドランは、欲望に駆られた2人の主人公の間を巧みに行き来し、それぞれのシークエンスが2人の交互の視点を通してフィルタリングされるにつれて、共感と忠誠を絶えず再考させてくれる。
今作品は、性的な緊張をほとんど孕んでいるように感じられるが、ドランは絶えず、何らかの衝撃を与え続けてくれるかな。
ドランはこの浮気の殺人ミステリーを、からかい半分の遊び心で進めていく。
大胆な単色のパステル調の照明で照らされたシーン、ウォン・カーウァイ流のいびつなスローモーション・ウォーキングのシークエンス、ナンシー・シナトラの"Bang Bang, My Baby Shot Me Down"のカヴァー(ハウス・オブ・ペインの『Jump Around』のカメオ出演はもっと楽しいが)今作品のトーンは個人的に巧みやと云わざる得ない。
上品で、芸術的で、後付で自己反省的な毒舌とコード化されただけ。
登場人物たちのヒステリックな言動に促された最初の笑顔がいくぶん薄れるなど、第2幕の遅れは助けにならない。
しかし、我慢してみれば、自信満々に見えるかもしれないが、この進行と登場人物は、人間的でありながらも滑稽に演じることを意図している。
最後に、映画のクライマックスでようやく同情が収まったと思ったら、ドランはまたもや巧妙で陽気な逆転劇を見せ、すべてをフォーエバー21のリボンで結びつけ、ゾッとしたり笑ったりするような崇高なアンチ・モラルを完成させる。
とにもかくにも、ドランの演技は、彼の監督作と同様に、情熱的で感情的、大胆なアンチ・カリスマ性をもって、甘さと哀れさを交互に表現し、気まずさや孤独感を伝える微妙なニュアンスに富んでいる。
モニア・チョクリは少々とっつきにくいが、それでも大胆に冷徹で切れ味鋭い演技を見せ、その控えめさとスタイリッシュでアンティークなワードローブが防具の役割を果たし、常に完全に共感できるわけではないにせよ、深く根ざした形で彼女の憧れを激しく伝えている。
最後に、二人の愛情の対象であるニールス・シュナイダーは、小生意気で曖昧な魅力を的確に表現し、"Love me or leave me "という暗号のような一言で、驚くほど多くの逆説的な感情を伝えることに成功している。
ドランが間違いなく嫌うであろう比喩に乗れば今作品はマカロンのような映画、つまり、カラフルで、甘く、シックで、見かけによらず濃密やけど、つかの間の、おいしいささいな出来事。
巧みに構成され、心のこもったキャラがたくさん登場する楽しい映画やけど、意図的に浅いプロットなので、ドランのもっと肉厚でシリアスな作品のように余韻を残すほどには、その様式美に追いついていない。
それでも、批評的に評価されるカナダ映画において楽しいちゅう言葉は決定的に稀であり、この点だけをとっても、今作品は現代映画界で最も有望な人物の一人であるドラン監督による、価値ある非常に楽しい作品であるんちゃうかな。
Kota

Kotaの感想・評価

4.0
”唯一の真実は、愛の衝動だけ。”

タバコの煙。ストロボの光。マシュマロの雨。虚な赤、緑、黄、青、あぁ胸騒ぎが止まらない。同性愛者のフランシスと、彼の親友マリーが、ニコラという美しすぎる青年に恋をした。グザヴィエ・ドランの中でもかなり好きな今作を5年ぶりに再鑑賞。

二人が恋に落ちるまで、好きが止まらなくなるまで、そした恋が終わるまでが三章立てになっており、間には第三者が各々の恋愛観を語るシーンが挟まれる。この映画では直接的に二人がニコラを好きな事が最後の章までセリフに出てこない。けれどもありえない程のクローズアップと、ニコラを必ず真ん中にして揺れるように撮られるパンショットや引きのロングショット、そこに写る“無表情”や“苦笑い”が全てを物語る。

当時20歳のグザヴィエ・ドランも、マリー役のモニア・ショクリも素晴らしい演技なんだけど、これはなんといってもニコラ役を演じたニールス・ジュネデールの一人勝ち。ルックスへの自意識の高さと、それを妖艶に利用して人を狂わせる能力、その全てを持ってしても尚溢れ出る魅力。最早、男女の壁など関係ないかのように見ている観客ですら恋に落とす程。(ドランの映画はほとんどそうだけど)同性愛者であるという事がその人間のたった一要素と言わんばかりに大きな障害なく異性愛者と同等に扱われる所も良い。

誰しも恋に落ちた時に感じる悦びと苦悩。自分の事ではないと分かっていても、繊細な感情表現と美しいカメラワークに心がズキズキする。

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