Donguri5656

それでも夜は明けるのDonguri5656のレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
悲惨な状況が次々と起こっていくが、
告発調でなく、主人公に寄り添いつつ
冷静にドラマで見せていく演出が、
一層、逃げ場のない息苦しさや
閉塞感を醸し出している。
(感情を出せない環境でもあるが)

前半は、カンバーバッチがあそこで
出てくれなかったら、こちらも
挫けそうな厳しさだったよ。

あそこのワンカット撮りなんて、
「えっ!ここワンカット?」と気づいた
時には衝撃でした。
時間経過をこんな風に見せられるなんて!

撮影も、とても素晴らしく、主人公の感情が乗り移ったような折々の風景の、その美しさは、ある意味、こちらの感情を一息落ち着かせてくれてもいる。

極限状況を描きながらも、洗練された、現代的な映像表現になっているのは、マックィーンならではでしょうか。

ただ、映画として見ると、
ブラピの登場から演説?あたりが、
やや唐突で、せっかくそこまで、直接的な
説明ではなく、描写で見せてきただけに、
正論を正論として語るだけのこのシーンが、全体から浮き上がってしまい、こちらも急に冷静になってしまった。

ブラピはプロデューサーだし、しょうが
ないかも、だけど、もう少しシナリオ的
に上手く出来なかったかなとは思った。

「やっぱり夜は明けなかった」人たちが
不憫でならない。
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